地域おこし協力隊4人の力合わせ 朝日村「おこしーず」

出身地も担当分野も違うが、朝日村を愛する気持ちは一つ-。
同村の地域おこし協力隊員4人が、知恵とスキルを出し合って活動しようと、任意団体を結成した。その名も「おこしーず」。メンバーは代表の山田喜孝さん(62、愛知県出身)、宮本有紀さん(23、岡山県出身)、浅川晴輝さん(24、山梨県出身)、信時郁美さん(30、東京都出身)。
商品化を目指して村内の施設で炭を焼いたり、新型コロナウイルス拡大で自粛要請が続いていた5月に地元飲食店と共に弁当などを販売する「朝日村テイクアウトマルシェ」を開いたり。6月29日には第2弾のマルシェも開き、盛況だった。
それぞれ抱く夢に向かって歩みつつ、任期終了後の村での生活基盤づくりも図る4人を追った。

担当分野を超え 任務にも好循環

「おこしーず」最年長の山田喜孝さんは、間もなく着任から3年目に入る。ヤマメの養殖に取り組み、現在出張販売もしている。来年3月で任期が終わる宮本有紀さんと、昨年6月に赴任した浅川晴輝さんは観光協会の活動に従事。同8月に赴任した信時郁美さんは婚活を担当する。
任期も活動内容も、育ってきた環境もそれぞれ異なる4人。「それぞれのミッションを複合的に協力することで、活動も広がるし意識も高まる」と「おこしーず」を結成。「朝日村テイクアウトマルシェ」のほか、村の施設「もくもく体験館」で間伐材や村民が提供してくれた木材で炭焼きをし、商品化を探るなどしている。
個々の担当分野を超えて活動することで、人脈やネットワークも拡大。それを本来の任務に生かす好循環が生まれている。
5月の「テイクアウトマルシェ」は開始30分で完売。参加店舗を増やして臨んだ第2弾も、開始前から大勢が並ぶ盛況ぶりだった。活動や存在が知られてきた一方で、山田さんは「客数や品数など、見込みが甘かった。イベントとしては失敗」と振り返る。それでも「イベントに向けての準備や顔が見える地域貢献という面では、若手のいい経験になっている」とも。

それぞれの目標 村の良さを発信

浅川さんは「観光協会の仕事は村外とのつながりが多かったが、炭づくりやマルシェなどを通して村の人に知ってもらえた」。信時さんも「これまで接点がなかった村内のお店とつながりができた」と話す。「今は3人分の知識やスキルが学べ、いろいろなものが生みだせる。自分にとって心のよりどころ」と宮本さん。
若手3人はそれぞれの夢に向け、方向性を模索する。宮本さんは「キッチンカーでいろいろな場所へ行き、朝日村の物を売って回りたい」。浅川さん、信時さんも「第1次産業から6次産業までをこの村で取り組みたい」「飲食店を開き、朝日村を宣伝したい」と話す。
年長者の山田さんは「余計に生きてきた者として、自分が知っていることを提供し、若者3人をサポートしたい。今後の生活の糧を得る助けになれば」。これまで経験してきた仕事では若者とは上司と部下という関係しかなかったが、同じ協力隊員の3人とは「フラットに付き合えて楽しいし、刺激になる」という。養殖ヤマメのブランド化を考えており、現在取り組んでいる事業の確立や後進の育成を目標に据える。
村内だけでなく、近隣市町村ともつながりながら活動を広げ、事業と雇用の創出も目指していくという「おこしーず」。4人はいずれも、協力隊員としての任期が終わっても朝日村で暮らし、村の良さを発信していくつもりだ。
「ここに残りたいと思わせる村の魅力は」と尋ねてみた。4人は「出ていく理由がない」と口をそろえた。