動きだす松本の文化芸能活動再開へ 生の舞台に挑む

新型コロナウイルス拡大で自粛が続いてきた文化芸能活動が徐々に動きだし、松本市内の主要ホールでも公演再開へ準備が進む。市音楽文化ホール(島内)は10月に開く開館35周年記念の特別演奏会のチケットを発売。まつもと市民芸術館(深志3)は16日から、劇団TCアルプによる新作「じゃり」を上演する。いずれも観客数を減らすなど感染防止対応を強めて生の舞台に挑む。

市音文ホール開館35周年記念
東京フィル特別演奏 10月7日

MGプレスは10月7日、市音文ホールで開く「アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィルハーモニー交響楽団特別演奏会」を共催する。世界で最も注目される若手指揮者が、歴史、実力ともに日本随一のオーケストラを率いて来館。開館35周年を記念し、松本ゆかりの演目やゲストが登場する。
バッティストーニさんは1987年、伊ヴェローナ生まれ。日本最古の東京フィルハーモニー交響楽団(以下、東フィル)の首席指揮者として活躍、特にコンサート形式オペラでは高い評価を受けている。
プログラムは開館35周年向けに編成。東フィルが得意とするオペラや交響曲をはじめ、1995年、サイトウ・キネン・フェスティバル松本(現・セイジ・オザワ松本フェスティバル)で初演された武満徹の曲に、まつもと市民芸術館を拠点に活動する劇団TCアルプの下地尚子さんが語りで参加する。
同ホールプロデューサーの中村ひろ子さんは「松本の音楽や文化を詰め込んだ演奏会。実力のある皆さんの共演を楽しみにしてほしい」と話している。
◇日時10月7日午後7時
◇曲目ロッシーニ歌劇「ウィリアム・テル」序曲、武満徹「系図若い人たちのための音楽詩」、シャミナード「フルートと管弦楽のためのコンチェルティーノ」、ベートーベン交響曲第5番「運命」
◇入場料一般1万円、25歳以下3000円
◇チケット発売日ハーモニーメイト4日(窓口午前10時、電話午後2時)、一般18日午前10時
◇チケット取り扱い市音楽文化ホール、各プレイガイド
◇主催市音楽文化ホール
◇共催信濃毎日新聞社、MGプレス
◇後援松本市、市教育委員会、市民タイムス、FMまつもと、あづみ野エフエム、松本商工会議所、八十二文化財団、長野音協
◇協力ハーモニーメイト
◇問い合わせ市音楽文化ホール℡0263・47・2004

首席フルート奏者神田さんに聞く
ゆっくりと音楽を

東フィル首席フルート奏者で松本市出身の神田勇哉さん(36、東京都)に現在の活動や自身がソリストを務める演目の聴きどころ、記念演奏会への思いを寄せてもらった。

自粛してばかりではいけない-と、できる範囲でコンサートでの演奏、音楽収録や動画作成など再開し始めた。世の中が今後どうなるかは誰にも分からないので、今できる事をやるしかない。
今回、演奏する「フルートと管弦楽のためのコンチェルティーノ」を作曲した仏のシャミナード(1857~1944年)は、クラシック音楽界には珍しい女性作曲家。この曲は甘美な旋律とフルートの華やかな超絶技巧がちりばめられた名曲だ。指揮者バッティストーニはオペラ的な旋律美を引き立てる能力が随一なので、共演がどのような化学反応を起こすのか、今からとても楽しみだ。
音文ホールが開館35周年ということで、私が1984年生まれなので、ちょうど時を同じく成長して来たことになる。小学生の頃から音楽鑑賞教室やコンサートを同ホールで聴いてきた。フルート発表会の際、緊張で腹痛を起こしたのも良い思い出だ。
松本のクラシック中心地であるホールの記念演奏会に出演させていただくのはこの上ない喜び。コロナ禍で世界的危機の中だからこそ、ゆっくりと音楽を楽しむ時間を設けてはいかがだろうか。