移動スーパー「とくし丸」 地域の人と日常的な触れ合い

「とくし丸」。徳島県に本部を置く企業が全国展開する、生鮮食品や生活雑貨などを軽トラックに積み各地に出向いて販売する移動スーパーだ。山間部や高齢者らの需要に応えるほか、1人暮らしの高齢者らの見守り活動も担うなど、対面販売ならではの社会貢献活動もしている。
「とくし丸」は、中信地区では、スーパー「デリシア」(本部・松本市今井)が松本市内と塩尻市内で計3台を運行。塩尻市内では週に6日、吉田、片丘、広丘堅石・広丘野村・洗馬地区を巡り、1日約50カ所で販売している。
「お客さまが見やすいよう美しく、点数を多く積むのがこつ」と、現場を担当する「販売パートナー」の1人、三村利佳さん(45)。1時間ほどで約400品目1200点をぎっしりと積み込んだ。
取材時に回ったのはデリシア広丘店から1キロほどの場所にある住宅街。週に1回利用するという鳥羽美代子さん(80、広丘吉田)は「品ぞろえが豊富で、荷物を提げて帰らなくていいし、本当に助かっています」。
デリシアは当初、交通手段の乏しい山間部の利用を見込んだが、始めてみると市街地での需要も多いという。ネットでの注文による宅配も普及する中、デリシアの担当者は「(自宅近くで買い物ができる)移動販売ならシンプルに利用できる」と話す。
デリシアは、県や松本市、塩尻市と見守り活動の協定も締結。塩尻市では連絡を受けると、民生委員とも連携して本人の安否確認などもしている。せき込んで体調が悪そうな客に三村さんが気付き、医療機関の受診を勧めたところ入院が必要な病気だったことも。
「日常的にお客さまと触れ合うから気付くことがある。おせっかいと思われても、少しでも力になりたい」と三村さん。地域の人たちの買い物に役立つだけでなく、対面販売ならではの地域貢献にもやりがいを感じている。