小中学校エアコン設置 住民らが取り組み

新型コロナウイルス感染予防の臨時休校による学習の遅れを取り戻すため、大半の公立小中学校が夏休みを短縮して授業を行う今夏。マスク着用も必要な中、普通教室のエアコン設置が遅れている松本市では、児童・生徒の熱中症を心配する地域住民らが、公共施設のエアコンがある部屋を教室代わりに提供したり、学校に扇風機を寄贈したりする取り組みが行われている。

城北公民館と建設業会館が開智小へ
大会議室などを提供

市城北公民館と隣接する市建設業会館(ともに開智2)は、7月27~30日と8月20、21日の計6日間の午後1~4時、近くの開智小学校にエアコンがある部屋を提供する。
公民館は35~100人が収容できる講義室と視聴覚室、大会議室を、建設業会館は80人収容の会議室をそれぞれ用意。5年生(107人)4クラスに1室ずつ割り当てられる。
教室にエアコンがない3~6年生の授業を、エアコンがある特別教室で行おうと割り振りに頭を悩ませていた湯本武司校長(60)に、公民館の田中正館長(67)が会議室の利用を提案。
田中館長は、先に予約を入れていた利用団体と交渉して時間をずらしてもらったほか、1クラスで1室ずつを使えるように、建設業会館に部屋の提供を呼び掛けた。学校はウイルス感染対策で児童が間隔をとって座れるかなどを確認した。
会館を所有する市建設業協会・市建設事業協同組合の伊藤浩一会長・理事長は「地域に貢献できてうれしい」。田中館長は「開智小とは日ごろから交流があり、こんな時だからこそ力になりたいと思った」と話している。

筑摩野・鎌田中が扇風機の寄贈呼び掛け
多くの善意に感謝

筑摩野中学校(716人)は6月末、学区の芳川・寿地区の回覧板で、家庭で使っていない扇風機の寄贈を呼び掛け、今月7日までに62台が集まった。
同校でエアコンがあるのは音楽室、図書館、パソコン教室、保健室、職員室だけ。普通教室25室には壁掛けの扇風機が2台ずつあるが、「生徒全員に風を行き渡らせるため1室に6台ほしい」(瀧澤公也校長)とし、理科室や美術室などの不足分を合わせて計160台が必要という。
同校の卒業生で滝澤工務店(今井)社長の滝澤顕さん(41)は「子どもたちがかわいそう。少しでも勉強しやすい環境に」と、建築現場で使うために購入していた新品10台を寄贈。瀧澤校長(57)は「地域の方に助けてもらい、思った以上に集まり感謝している」。
先行して地域に寄贈を呼び掛けた鎌田中学校(482人)でも、これまでに40台が集まった。両校とも呼び掛けの文書に載せた寄贈の締め切り日は過ぎたが、今後も随時受け入れる。

松本市教育委員会は市立小中学校の普通教室のエアコン設置について、気候が涼しい大野川小中、奈川小中を除く43校で、本年度中に設置を完了させるとしている。
本年度設置するのは、小学校の3~6年生の教室と、中学校の全学年の教室。8月下旬から順次工事に入る見通し。
文部科学省が発表した公立小中学校の普通教室のエアコン設置状況(昨年9月1日時点)は全国77.1%、県内は48.7%。