池田にワイナリー 初の「純地元産」を

「DOMAINE HIROKI(ドメーヌヒロキ)」。池田町初のワイナリーとして渋田見に誕生、11日から売店や試飲などの営業を始める。
北アルプス展望美術館近くに3月、完成した。醸造所内にはステンレスタンク、温度調節装置、ブドウの実と茎を分離する除梗機(じょこうき)などが並ぶ。
運営する農業生産法人「ヴィニョブル安曇野」は昨季、町外のワイナリーに委託し、自社ブランドで赤、白のワインを初めて醸造。今季は町内産ブドウを使い町内で醸造するワイン生産に乗りだす。
「ハーブの里」池田町が、新たに「ワインの里」としても歩みを進めていけるか─。同醸造所が来春送り出す初の「純地元産」ワインが、その試金石となる。

土地の特徴生かしたワインを
ブドウ栽培経て「最後まで」挑戦

ブドウ畑に囲まれて建つ真新しいワイナリー「DOMAINEHIROKI」。目の前には北アルプスの山々がそびえ、眼下に田園風景が広がる。落ち着いたたたずまい。安曇野の景観に溶け込むよう配慮がなされている。
池田町はワインを地元の産業の一つにしようと1990年からワイン用ブドウのほ場整備を進め、これまでに約26ヘクタールに拡大。現在、計画中のほ場整備が完成すれば、計約34ヘクタールにまで広がる見通しだ。
ヴィニョブル安曇野は、町から依頼を受けワイン用ブドウ生産に参入した。会長の横山嘉道さん(70)は「投資は大変だが、息子が将来的にやってくれるなら」と、都内で働いていた長男の弘樹さん(41)に打診。「いつかは帰りたい」と思っていた弘樹さんは2009年に地元に戻り、ヴィニョブル安曇野の社長に。大手酒造会社メルシャンの契約農場として2.1ヘクタールのブドウ畑を管理、シャルドネ、メルローを栽培してきた。
「せっかくなら最後までやってみたい」。ブドウ生産と向き合ううちに、ワイン醸造まで考えるようになった弘樹さん。17年に町からさらに3ヘクタールを借り、うち2ヘクタールを自社用のブドウ栽培に充てることに。県の醸造講座に通うなど、ワイン造りの勉強も始めた。
ブドウ栽培が3年目を迎えた昨年、安曇野市と高山村のメーカーに醸造を委託。白(ソーヴィニヨン・ブラン)、赤(カベルネ・ソーヴィニヨン)、赤(メルロー、プティ・ヴェルドーなどのブレンド)のワイン3種を初めて生産した。ブランドは「DOMAINE HIROKI」。ラベルには横山家の家紋をぶどう色で配した。ほかに、町が試験栽培したメルロー、シャルドネで「高瀬川」ブランド2種も造った。
「ブドウの出来も良く、特に赤は果実の香りをしっかり感じられる」と弘樹さん。今は木が若いが、年月の経過と共に味に深みが加わるといい「どんなふうに変わっていくのか楽しみ」と話す。
ワイナリーでは約1万3500本のワイン製造が可能。醸造家の内川雄一郎さん(37)を迎え、9月には自社醸造を始める予定だ。「土地の特徴を生かした、地元の人に愛されるワインを造りたい。観光客や外国人にもPRできたらいい」。弘樹さんは言葉に力を込めた。
5種のワインはいずれも1本2970円。売店の営業は土、日曜、祝日の午前10時~午後5時。℡0261・25・0024