【なないろキッズ】 #43 身を守る性教育を丁寧に

いわゆる性教育については、各家庭によってさまざまな考え方があるとは思いますが、一般的に発達の偏りがあるお子さんには、学校で取り扱っているものだけでは、具体性に乏しく、分かりにくくもあり、不足することもあると感じています。問題となる性行動が出てから、駄目出しのように注意しても、聞き入れてもらうのは難しく、行動を変えていくのは簡単ではありません。
性教育は、自分と他人について人権意識を持ち、自分の身を守るために大切な知識です。
目安として、就学前には男女の体の違いと、プライベートゾーンの考え方(水着で隠れる部位は見せない・触らせない)など。思春期前ごろには、第二次性徴(月経の対応の仕方、精通なども含む)について。
中学生前後に、異性への興味が湧くこと、男女交際のマナー(必要に応じて性行為、妊娠、避妊なども含む)と、安全で不適切でない自慰の仕方といったことを話題にしていけるといいかなと考えています。
親子の関係性や、お子さんの興味、関心などにもよるので、年齢で一律にというわけではありませんが、特に自閉タイプは、突然の心身の変化に戸惑ってしまうことも多く、見通しとしての知識をあらかじめ伝えておくとスムーズです。また、仲間集団の中で何となく得ていく情報を、得にくいところもあるので、安全で正しい情報の提供が必要になるのです。またADHD(注意欠陥多動性障害)タイプは刺激的なものを求める傾向があり、リスクを伴う行為については具体的に歯止めをかけておいた方がよいでしょう。
直接話しづらければ、子ども向け(発達障害のお子さん向け)の絵本や漫画なども出ているのでぜひ活用してください。オープンに話せる雰囲気があると、性に関することで困ったことがあった時に相談しやすくなります。