長野県の形のカッティングボード

信州大好きの2人意気投合し商品化

信州の上に盛り付けた料理はいかが─。
料理の盛り付け用の皿として使われることもあるカッティングボード(卓上まな板)を信州の形にした。そんな「郷土愛」あふれる品を商品化したのは、福祉施設職員の瀧澤裕さん(40、松本市岡田下岡田)と、自営業の山田洋祐さん(37、同市浅間温泉)。
「長野県の形って格好いい」「長野県の職人や材料にスポットライトを当てたい」。そんな思いを抱く2人が出会い、「何か面白いことしようよ」と意気投合し、ユニークな商品が誕生した。既に地元の飲食店からも引き合いがあり、2人は手応えを感じている。

面白く格好よく信州シェイプ
長野県らしさにこだわって開発

瀧澤裕さんと山田洋祐さんが出会ったのは2018年11月。音楽活動もしている山田さんのクラブイベントに瀧澤さんが訪れたのがきっかけだった。
瀧澤さんは信州の伝統文化に興味があり、木曽地方の特産品「ねずこ下駄(げた)」の製作に携わったことも。山田さんも静岡県から信州大に進学して長野県の自然が大好きになって住み着いた。互いに「信州好き」を自任する2人はすぐに意気投合。会うたびに「何か面白いことしたい」「信州を盛り上げるにはどうしたらいいか」などを話し合っていた。
山田さんが群馬県に旅行に行った話を瀧澤さんにした時のこと。旅行先で土産を買おうとしたら、その産地は松本だった。「松本に買って帰る土産が松本産じゃ、イラッとするでしょ」と山田さん。そんなエピソードを機に「信州っぽい」商品開発の構想が始まった。
「松本ってクラフトの街だよね」「信州は木が豊富だよね」などと意見を出し合っているうちに長野県の形をしたカッティングボードが浮上。24時間365日、常に本気で遊ぼう─といった意味を込めて、事業名を「24365PRODUCT(プロダクト)」と名付けた。

職人の技で完成 地元店で採用へ

まずは精巧な「信州シェイプ」を刻んでくれる職人探しからスタート。知り合いの木工所の紹介で「糸のこ名人」を自称する上村誉典さん(70)にたどり着いた。木祖村薮原の上村木工所の3代目代表で、木工職人歴約50年のベテランだ。
瀧澤さんから突然アイデアを示され、製作を頼まれた上村さん。「技術的には何の問題もなかったが、最初はぴんとこなかった」と明かす。それでも「これを商品化するには、糸のこの技術が絶対に必要」という情熱に突き動かされ快諾した。現在、糸のこを使う仕事は全体の5%まで減っているというが「その技術に光を当ててくれるのはうれしい」と話す。
昨夏、ヒノキ、クルミ、ナラ、スギなどの材木で作った製品が完成。池田町の陶芸家、森岡宗彦さん(37)に発注した陶器製の製品も試作品が出来上がった。さらに「カッティングボード3兄弟」にしようとガラス製品を、自県形の皿を作っている富山県の業者に依頼した。
営業活動はコロナ禍の影響で遅々として進まなかったが、ここにきてホテルブエナビスタ(松本市本庄1)内のフレンチと鉄板焼きの店「ソルプレーサ」が採用する予定に。他の飲食店でも試験的に使うところが出始めた。
「シンプルに信州をアピールする格好いい商品になったのでは」と山田さん。瀧澤さんは「この仕事を通じて多くの人とつながることができた。ゆくゆくは、隣接県のボードも作って交流できたら」と話し、事業の広がりに期待した。

木製のボードは、M(縦30センチ×横17センチ×厚さ1.5センチ)、L(36センチ×20.5センチ×1.5センチ)、LL(42センチ×24センチ×1.5センチ)サイズがある(オーダーも受け付ける)。値段は4000円から。陶器製、ガラス製の販売も準備中。商品の問い合わせなどは事務局のエー・エフ・エル℡0263 ・ 50・8550