【なないろキッズ】 #45 宿題の見直し相談しても

毎日の宿題になかなか取り組めず、苦労するというお話は外来でもよく伺います。宿題をやらせるために怒りたくないのについつい怒ってしまったり、本人の機嫌を見計らって気持ちを整えた状態で宿題に取り掛かれるようにとずっと気を使ったりしているという親御さんもいらっしゃいます。
特に自閉タイプのお子さんの中には、やらなきゃいけないと思っていることは何が何でもやらなければならないと、生真面目に思い込みやすい性質と、興味がないことをやるためにエネルギーを非常に多く必要とするのでなかなか取り組めないという性質を併せ持つお子さんもいます。
学校から疲れて帰ってきて、「宿題をやらなきゃいけない」と思っても、どうしても体が動かない、その気になれずエンジンがかからないと、お子さん自身が葛藤し、さらに機嫌が悪くなり爆発してしまうという状態に陥りやすい人も少なくありません。
余裕があるときはまだよいのですが、学校行事の練習シーズンや、ちょっとしたトラブルがあったときなどはなおさらです。
そもそも宿題は、家庭での学習習慣をつくったり、学校の授業の補完をしたりといった目的で行っているものだと思いますが、本人に見合わない量や内容の宿題を課されて、家庭で毎日毎日、宿題のことで親子ともどもに神経をすり減らすような状態を続けることが、良い学習効果をもたらすとは思えません。
「勉強=苦行」と刷り込まれてしまい、勉強への嫌悪感や苦手意識を積み重ねてしまえば、長期的に見ても学習にマイナスの影響をもたらします。宿題が苦行になっているようなら、担任の先生にも相談して、個別に宿題の量や内容を見直してもらうことも一つの方法です。