2020.11.19 日本地域情報コンテンツ大賞・タブロイド部門で2年連続優秀賞

“コーヒー道”まい進 豊科の赤沢さん

豆の産地や種類だけでなく、焙煎(ばいせん)の仕方や入れ方によっても異なるコーヒーの味。コンビニエンスストアなどでも手軽に飲める時代だが、安曇野市豊科の赤沢征一郎さん(26)はその奥深さにはまり、自分で焙煎した豆をオンラインショップで販売。10月には実店舗のカフェをオープンする。

冷めない情熱が起業の原動力

店名は「BeansBase(ビーンズ・ベース)」。カフェは実家の一部を改装したJR豊科駅近くの国道147号沿いで、開店の準備が進んでいる。
機械で焙煎する店もあるが、赤沢さんは火の前で15分間、手で道具を回し続ける。一度に300グラム余りしかできず、暑い時季は過酷な作業だが、「音や色、香りの変化など、五感でコーヒーを感じられる。おいしくなったタイミングが分かる」という。

高校生のころ、ファンだったロックバンド、RADWIMPS(ラッドウィンプス)のプロモーションビデオで、ボーカルの野田洋次郎さんが豆をミルでひく姿を見て「かっこいい!」と興味を持ったのが、コーヒーと関わるきっかけに。
「形から入った」と赤沢さん。当初はずぶの素人で、見よう見まねで入れてみたが、喫茶店の味とまったく違い「味が薄い。どうして?」。そこから“コーヒー道”を究める勉強の日々が始まった。
埼玉県川越市で過ごした大学時代は、あちこちのカフェを巡り舌を鍛えた。ミルを買ったのもこの頃で、どんどんのめり込んだ。卒業後は営業などの仕事に就いたが、情熱は冷めることがなく、「給料はほとんどコーヒーに消えた」。
生豆を購入し、焙煎を始めたのは2年前。コーヒー嫌いの人が「赤沢さんの(焙煎した豆)なら飲める」と言ったのを聞き、1年前にインターネットで販売を始めた。半年前には仕事を辞め、カフェ開店の準備に入った。母の昌子さんも店をやりたかったといい、2人の夢が着々と形になってきている。

コーヒーに懸ける情熱は、自身の目標だった起業を実現する原動力にもなった。「キーワードは『熱中』。それで、未来を変えることができると思う」と赤沢さん。自分のコーヒーの味への評価は「良くも悪くも、前向きになれる材料」と突き進む。
豆はホームページ(「ビーンズ・ベース」で検索)から購入できる。