古民家改装 松本城近くにキャンドル店

火の明かり非日常と癒やしを

松本市の国宝松本城近くにある大正時代に建てられた築100年を超える建物。通りに面した窓から優しいキャンドルの火の明かりが漏れる。中をのぞいてみると、丸や四角、円柱、四角柱など、形も色もさまざまなキャンドルが棚にずらり。
同市大手3のキャンドルスクール&ショップ「テ アオ テ ポ」。店主の片岡由梨香さんは1月、愛犬と共に東京からIターンした。散歩中に偶然見つけた古民家を借り、改装して店舗に。「松本に来てからラッキーが続いている。良い出会いもたくさんあった」と片岡さん。
松本にキャンドルの魅力を発信し、キャンドルを生活に取り入れたりキャンドル作りを通して非日常に没頭したりする時間をつくってもらいたいと思っている。

東京から松本へ愛犬と移住して

香川県出身の片岡由梨香さんは、都内の大学を卒業後、ウェブデザインの仕事に就いていた。独立してフリーとなったが忙しい生活が20年ほど続いた。愛犬が年を取ってきたこともあり、「どこにいても仕事はできる」と、ゆったり暮らせる場所への移住を考えた。
昨年、移住者向けのセミナーや松本市での開業者向けの移住ツアーに参加。それまでもたびたび訪れており、「自然もあるし、好きなお城の近くの古い街並みを愛犬と散歩したい」と移住を決めた。
そんな頃に出合ったのがキャンドル作りだった。好きなものが全て入っている。色の組み合わせを考えてきたデザイナーの経験を生かせると思った。早速、都内のキャンドルスクールで学び、日本と韓国のキャンドル協会のインストラクターの資格を取得。松本から都内へ習いに来ている人も多いと知り、松本でスクールを開こうと決めた。

出会い大切に活動の幅広げ

5月には蟻ケ崎4の自宅にプレオープン。インスタグラムなどで作品を発表、販売も始めた。楽しみのおしゃれなカフェや雑貨巡りをする中でクラフトショップアオイビヨリ(安曇野市豊科)で販売してもらえることになったり、松本市のカフェでワークショップをさせてもらったりと、少しずつ活動の幅を広げている。
「ロウと花と色」をテーマにした店舗のリノベーションは、壁を壊したり色を塗ったりと、できる限り自分で手掛けた。店舗名は、南太平洋のタヒチの言葉で「昼と夜」「黒と白」のような対義語を表す。キャンドルは結婚式や誕生日など、祝いの席でも葬式でも使われる。良い時も悪い時も人と共にあり、人を癒やしてくれる存在。そんな思いを込めて名付けた。
情熱的なタヒチアンダンスが趣味。朝の日課はランニングだ。7キロほど走った後に愛犬と散歩する。古い街並みを見ながら歩くのは楽しく、気づくと2、3時間歩いていることもある。
「閉鎖的なのかな」。そうイメージしていたが、住んでみると人懐っこい人が多く、中心市街地は歩いて行ける範囲にほとんどのものがあるちょうどよい規模。ちょっと足を延ばせば豊かな自然もある。
松本での生活を満喫する片岡さん。ただ、移住を決めてから愛犬と一緒に住める家や店舗の情報、新規開業の手助けなど「もっと行政のサポートがあればいいのに」と感じたという。
「古いものを大切にしながら、新しいものと上手に組み合わせている。とても魅力的な街」と感じる松本。自分の店も「くつろげるようにして、キャンドルの魅力を伝えていきたい」。現在、松本をイメージしたキャンドルも作っている。

【メモ】
【テ アオ テ ポ】
営業時間は午前11時~午後5時。スクールは予約制で、ワンタイムレッスンは3000円から(材料費込み)で、午前11時と午後2時から。1レッスン3人限定。マスク着用。
座学と10種類のキャンドル製作の「ベーシックキャンドルコース」を準備中。キャンドルのオーダーも受け付けている。スクール中はオーダーやプレゼントのラッピングなどができないので事前に要確認。
木、金曜定休(予定)。