大町移住の若手運営 多目的拠点「.BASE OMACHI」本格始動

若い力で地域の可能性を発掘

空き店舗だった建物が改装を終え、イベント、コワーキング、トレイルランニング、サイクリングなどの拠点として本格始動した。
大町市の中心市街地にある「.BASE OMACHI(ドットベース大町)」。通りに面した南側は一面ガラス張り。道行く人が「何だろう」といった表情で中の様子をのぞき込む。
机やいす、大型スクリーンが配置され、室内にはパソコンを持ち込み仕事する人、机を囲んで話し合うグループの姿。週末に通りかかると、外には数台の自転車が置かれ、ランニングウエア姿の人たちが語らう。
テーマは「ライフスタイル発信基地」。移住した若手が立ち上げた会社が運営する施設は、地域に新しい風を吹き込もうとしている。

その人なりに活用新たな交流の場に

大町市大町の「.BASE OMACHI」は、スキー輸入代理卸業などのフリーフロート(同市大町)が運営する。
約100平方メートル。机やいすの配置は自由に変えられ、大型スクリーン、プロジェクター、インターネットの環境もそろう。これまでに移住定住の相談会、ヨガや陶芸、コーヒーの入れ方教室、オンラインセミナーやライブ配信、高校生の自習スペース、地域団体の情報交換会など多用途に活用されている。
昨年11月にイベントスペースとして先行オープンした。シャワールームとロッカールームも整え、山野を走るトレイルランニング(トレラン)やサイクリングステーションの機能を加えて9月に本格稼働。施設に荷物を置いて約1キロ東の地点から登る鷹狩山でトレランを楽しんだり、周辺をサイクリングで巡ったりする人たちが立ち寄り、集える場になった。
室内の一角には、同市出身で、世界的なトレイルランナー上田瑠偉さんが各種大会で獲得したトロフィー類や実際に履いたシューズなどの展示コーナーも。県スカイランニング協会代表の木村卓哉さん(41、同市常盤)は「拠点があれば1人で走りに行くよりもハードルが下がり、情報交換やつながりが生まれ楽しさも増す。仲間が増えてくれれば」と期待する。
「『何屋さん』と定めず、その人なりにいろんな使い方ができる場所です」。代表取締役CEOの屋田翔太さん(35)はそう話す。多様な働き方や趣味、まちづくりなど多目的に活用できる場として、新たな交流も生まれている。

地域活性化に一役できること何でも

屋田さんは白馬村育ち。スノーボードのアルペン競技でワールドカップの出場経験もある。2018年、白馬で仲間と同社を創業。競技や仕事で国内外各地を訪れたが「山も川も湖も平野部もある大町には、いろんなポテンシャルを感じた」。子育てなど生活環境にも魅力を感じ、昨春に大町に移住。会社の拠点も同市に移した。
「いろいろな人が使える拠点があれば、まちは元気になる」と考え、多目的な施設を街なかに設けることに。もともと電器店だった建物は、大町市と東京大、信州大の定住促進共同研究事業のまちづくり講座「空き家の学校」の教室などに使われてきた。「新しく作らなくても活用できるものがある」(屋田さん)と、改装を進めた。
経営陣が30代のフリーフロート。バブル崩壊以降、スキー産業の長期低迷が続く中、地域のスキー文化の継承や活性化に一役買いたい-と名乗りを上げた。今季から同市内の「爺ガ岳スキー場」の経営会社を引き継ぐほか、「あさひプライムスキー場」など朝日村の観光レクリエーション5施設を共同事業体として指定管理する。
インフラ事業や移住定住促進にも興味や意欲を示す同社。埋もれている地域の可能性発掘へ「できることをできるだけやりたい」。屋田さんは旺盛な挑戦心をのぞかせた。

【.BASE OMACHI】施設利用料は1日500円、月額会員4500円、1日貸し切り1万5000円。トレラン用シューズとベスト型バッグの貸し出しもある。行動食なども販売している。平日午前10時~午後6時、土、日曜午前8時~午後5時(変更あり)。不定休。電話0261・85・2571