2020.11.19 日本地域情報コンテンツ大賞・タブロイド部門で2年連続優秀賞

山辺温泉花岡整形外科・花岡徹院長に聞く―痛風ってどんな病気?

「痛風」と聞くと、「お酒好きな、太り気味の中年男性」が患うイメージですが、実際は誰でもなり得る生活習慣病です。かくいう記者も今春、痛風に。中年ではありますが細身で、近年、酒を飲まないので、発作が出ても痛風だとはつゆほども思わず、痛みを放置していました。痛風とはどのような病気なのか、松本市里山辺の「山辺温泉花岡整形外科」の花岡徹院長(65)に聞きました。

尿酸の増加防ぎアルカリ化意識

痛風は血液中の尿酸が増え過ぎて血液に溶けきれず結晶化、関節に沈着することに起因する炎症です。突然激痛に見舞われることが多く、「痛風発作」といいます。
痛くなる場所は足の親指の付け根が最も多く、炎症が進むと腫れます。足首やアキレス腱(けん)周辺などにも見られます。
原因は、血液中の尿酸の量を示す「尿酸値」が7㎎/㎗を超えた「高尿酸血症」。この状態が長く続くと、発作が起きる可能性が高まります。
ただ、人間の体には個体差があるので、この値より低くても発作が起きる人も。体の中で作られる尿酸の量と体外へ排出される量のバランスが崩れると発作が起きる、と考えてください。
尿酸の量が増える要因は、食べ物の中に含まれるプリン体や体の新陳代謝。ですから20代でも女性でも発症します。
発作の引き金になるのは酒、おいしい食べ物、激しい運動、ストレスなどで、生活習慣の改善が欠かせません。
食べ過ぎ飲み過ぎは禁物。鶏や豚のレバー、エビやイカ、カツオなど、プリン体を多く含む食品は控えましょう。
一方、野菜や海藻、キノコ類など、尿をアルカリ化させる食べ物は積極的に食べてください。
水をたくさん飲むことも大事。1日2リットル以上が目安です。お茶やコーヒーなど利尿作用のあるものは血液が濃くなり、血液中の尿酸の濃度が高まるので逆効果。注意しましょう。
運動は大切ですが、激しい運動は尿酸値を上げる原因に。ウオーキングなどの有酸素運動がお勧めです。

合併症の恐れも生活習慣に注意

発作が起きたら、まずは消炎鎮痛剤で炎症を抑えます。
その後の治療は、尿酸値が8㎎/㎗未満であれば薬を使う必要はなく、生活習慣を改善したり水を多く飲んだりして、尿酸値が高くならないようにします。
8㎎/㎗を超える人は薬を使った治療が必要です。尿酸の排せつを促進する薬や尿酸の生成を抑える薬で尿酸の量をコントロール。薬の服用はある程度継続する必要があります。3カ月に1度くらいは血液検査をして、尿酸値、腎臓や肝臓の機能などを確認します。
多くの人が、痛みが治まると安心し、生活習慣の改善がおろそかになったり、服薬や通院をやめてしまったりしますが、それはとても危険です。
なぜなら、高尿酸血症は痛風だけでなく、腎障害や尿路結石を起こしやすくします。また、糖尿病、高脂血症、高血圧症を併発する可能性があり、それらが悪化すると動脈硬化につながり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす恐れがあるからです。
痛風発作は、高尿酸血症が引き起こすさまざまな障害の「氷山の一角」です。生活習慣を見直すシグナルと捉えてください。