2020.11.19 日本地域情報コンテンツ大賞・タブロイド部門で2年連続優秀賞

家具展示場に江戸の街並み再現

テレビ時代劇「遠山の金さん」でおなじみの北町奉行所や、同じく「暴れん坊将軍」に登場する町火消し「め組」の建物、赤穂浪士が討ち入った吉良邸の門構え…。
塩尻市木曽平沢の旧中山道沿いに、約200メートルにわたりテーマパークのような江戸の街並みがお目見えした。正体は業務用家具製造販売「木曽漆器家具製作所」(木曽平沢)の洋風家具の展示場だ。
時代劇ファンの同社会長が「子どもの頃から夢だった」と、遊び心で企画。施設のうち「第2展示場」は縫製工場だった建物を改装した。建物内の見学は要予約だが外部は自由に見ることができ、インスタ映えする写真スポットもある。同社は「木曽平沢の名所となり、地域振興につながればうれしい」としている。

「遊び心」で知識や技術も向上
端材など材料に 説明文立て札も

江戸の街並みを再現した展示場があるのは、本社と和風家具の「第1展示場」が立つ約5000平方メートルの敷地の一角。「北町奉行所」や、「め組」をイメージした建物、「吉良邸」門構え、鬼平犯科帳でおなじみの長谷川平蔵が務めた「火付盗賊改方」の役所、「日本橋」のミニチュアなどが目を引く。
歴史書などを参考にそれぞれの建物に関する説明文を記した立て札を設置。「小伝馬町牢屋敷」を模した建物などのそばにはテレビ・映画の時代劇に出演した俳優の写真も飾られており、一通り巡るとちょっとした博物館を見学したような気分になる。休憩スペースには自社製品が置いてあるなど、本業のPRも忘れていない。
建物のデザインは、発案者の会長が描いたイメージや、映画製作会社の撮影所、従業員が持ち寄った資料写真をもとに決めた。材料は端材などを活用。製作はグループ会社の従業員も協力し、コストを抑えた。

コロナで受注減 気持ち切り替え

江戸の街並みの再現に取りかかったのは、新型コロナウイルスが広がりだした2月。同社販売促進部長の瀧澤良和さん(42)は「仕事の受注がなくやることがなかった。落ち込んでいても仕方ないと気持ちを切り替え、整備に力を注いだ」と話す。
「江戸の街並みづくりは家具製作の腕も生かせた。作業を通じて知識や技術の向上、ベテラン職人が若手に教えたりする良い機会にもなった。従業員も楽しみながら参加し、士気も上がった」と、社長の村上隆さん(45)。会長の「遊び心」をきっかけに始めた取り組みだったが、本業の方でも思わぬ波及効果が生まれた。

同社の創立は2004年。宿泊や温泉施設などに納品する業務用和風家具、ロッカーや棚などの浴場家具が主力で、特産の漆塗りの高級家具、デザインと張り布の組み合わせが多数から選べるいすなどを製造。今年は、ワンタッチで折り畳みができるテーブルも開発した。
同社は、業務用では和風家具の10倍の需要があるという洋風家具に力を入れており、第2展示場はその展示スペースとして役立てる狙い。純和風の外観とは逆に、内部は大理石調の白い床にシャンデリアや吹き抜けを設けるなど、洋風家具がよく似合う造りにした。

内部の見学は予約の上、平日午前9時~午後5時(正午~午後1時は休み)。同社℡0264・34・3900