前回に引き続き、お薬の話題です。
薬を使うことを検討する際には、保護者は担当医に、薬を使うことによって得られる可能性のあるメリットと副作用、薬の飲ませやすさ(粉薬、錠剤、カプセル、液剤など剤型はどのようなものがあるか、粒の大きさ、味など)、効果があった場合、どのくらいの期間投与する見込みかといったことなどについて、納得ができるまで説明を受けましょう。また、うっかり飲み忘れた時どうするか、風邪や胃腸炎などの体調不良時にはどうするかといったことも確認しておくとよいでしょう。
薬のメリットとデメリットをしっかり検討して、お子さんにとってメリットが大きくデメリットが許容範囲と思われたら試してみるとよいでしょう。
保護者が薬を試してみようと思ったら、次に担当医からお子さん本人にも、どのような目的で使う薬なのか、本人が分かるように説明してもらいましょう。子どもの理解度、こだわり度は人によってまちまちですが、本人の納得のないまま薬を始めると、薬を飲むことを嫌がったり、自分が悪い子だからお薬を飲まなければいけないといったイメージを持ってしまうなど、薬を飲む目的を誤解して被害的に受け取ったりすることもあり、長期的に見て良いことがありません。
また、お子さんが薬を飲むことを拒絶することもしばしばあります。「飲みたくない」理由を明らかにした上で、本人が納得できるように提案し直したり、タイミングを改めたりするなどして本人の納得なしに飲ませるようなことは避けたいものです。
薬を飲み始めるときは、学校の先生にも伝えて、副作用などの変化に気を付けてもらえると安心です。実際飲んでみての効果や副作用については、本人の実感、保護者や学校などの意見を担当医に伝えましょう。
【なないろキッズ】 #48 本人が納得の上で服用を
- 2020/10/27
- 小児科医・新美妙美のなないろキッズ