2020.11.19 日本地域情報コンテンツ大賞・タブロイド部門で2年連続優秀賞

人気の「涙活」朗読会で

来月7日塩尻原新田公民館主事の宮田さんらイベント

最近、思う存分泣いていますか?
能動的に涙を流し心のデトックス(浄化)を図る「涙活(るいかつ)」。塩尻短歌館(塩尻市広丘原新田)で11月7日、大人のための「泣ける本の朗読会」が開かれる。企画したのは、長年、朗読に携わる原新田公民館主事の宮田幸恵さん(43、同)。フリーアナウンサーの北原恵美子さん(42、広丘堅石)と朗読役を務める。
脳科学的にも、涙を流すことはストレスの解消につながるとされている。首都圏では近年、「泣ける映画会」などの涙活イベントが人気を集めている。
信州大教育学部で国語を専攻した先輩後輩の間柄で、隣接する地域に暮らす縁でもつながる宮田さんと北原さん。ノスタルジックな短歌館の雰囲気を借りて、大人のための泣ける一夜を演出する。

塩尻短歌館「泣ける本の朗読会」塩尻市

趣ある建物で心に響く一夜を

信大の先輩後輩コンビを組んで

「久しぶり」「ほんと、20年ぶりとは思えない」。10月のある日、塩尻短歌館の縁側で、宮田幸恵さんと北原恵美子さんが学生時代以来の再会に顔をほころばせた。
在りし日を懐かしむのもそこそこに、持ち寄った本の選書が始まる。「これは泣ける」「私は情感豊かに読むから、淡々とした読み口で良いかも」。朗読会に向けて、打ち合わせが進んだ。

宮田さんは熊本県出身。祖母が地域の民話や戦争体験などを口承で伝える「語り部」をしていたため、小さい頃から朗読に親しんできた。現在も会社勤めのかたわら、読み聞かせのボランティアなどをしている。
今春、原新田公民館の主事となった。しかし、新型コロナ禍で催しなどの活動は停滞。それでも何かできることを|と、同じ広丘地区で隣接する堅石公民館と一緒に、地域の魅力を発信するフェイスブックページを7月に共同開設した。コロナ禍で入場者が減っている原新田の塩尻短歌館からもイベント企画の依頼を受け、SNS開設も記念して今回の朗読会を思い立った。
神奈川県出身の北原さんは大学卒業後、旧姓久野の名前でSBC(信越放送)のラジオレポーターを務め、フリーのアナウンサーとして活躍。卒業後2人の交流は途絶えていたが、北原さんが堅石在住と知った宮田さんが「そのうちどこかで一緒に何かできたらと思っていた」と北原さんに声を掛け、20年ぶりの再会と朗読の共演が実現した。
北原さんは「声を掛けていただいて縁を感じた。自分の子どもや学校での読み聞かせは経験があるが、大人を前にした本の朗読は初体験。得意とは言えないが、地域の役に立てるのであれば」と引き受けた。

自粛のストレス涙流して発散を

宮田さんは5年前に父を亡くし、精神的に落ち込んだ。その際、感情を無理に抑えず思う存分泣いたことで、癒やし効果を体感したという。「今年は新型コロナウイルスによる自粛生活でストレスをためる人が多いが、泣くきっかけや場がないという人もいる。積極的に泣くことで発散してほしい」と話す。
今回の企画には、公民館主事として、若者や女性にも公民館活動を積極的に担ってほしいとの思いも込めた。会場の塩尻短歌館は、国の登録有形文化財に指定されている本棟造りの趣ある建物。朗読会の日は、通常は開いていない夜間、「泣きたい大人」たちを迎える。
朗読される本がどんな本なのかは、当日のお楽しみ。2人がとっておきの3~4冊を選び、音楽や映像などの演出も交え「泣けたり、じーんと心に響く朗読」(宮田さん)を披露する。それぞれの個性あふれる語り口も聴きどころだ。
午後7時から、入場無料(土産付き)。事前申し込みが必要。