2020.11.19 日本地域情報コンテンツ大賞・タブロイド部門で2年連続優秀賞

かけゆ文殊テラス・プロジェクト

松本平と鹿教湯往来の橋渡しに

9月から三才山トンネルの通行料が無料となり、松本平と近づいた感のある鹿教湯温泉(上田市)。中信の人たちにも気軽に温泉を利用してもらおうと、関係者らが知恵を絞っている。
「かけゆ文殊テラス・プロジェクト」。地元商店主やホテル・旅館経営者のほか、松本・上田地域の有志ら約30人でスタートした。温泉地の一角に足湯を整備。文殊堂、五台橋、仲良し地蔵といったスポットや地元のランチ・スイーツ店を紹介するマップも作った。足湯の近くには今後、カフェや音楽堂などを設け、鹿教湯巡りの拠点にしていく構想だ。
往来が少し便利になった松本と上田の中間に当たる鹿教湯温泉。関係者は、プロジェクトが両地域の交流促進の橋渡しになれば─と願う。

多彩な構想「しあわせ温泉」へまず足湯設置拠点づくりを

「かけゆ文殊テラス・プロジェクト」は、地元で菓子舗やカフェなどを運営する「おきな商店」社長の生田淳一社長(57)が発案した。湯治やリハビリといった従来の目的に、気分的にも楽しめる要素もプラスし、「しあわせ温泉」として売り出していこう─との狙いがある。
「文殊テラス」は、鹿教湯温泉のシンボルでもある文殊堂と、堂に祭られている文殊菩薩(ぼさつ)、内と外とをつなぐテラス(縁側)、「菩薩の知恵と愛情の光に照らされた地域に」との願いから取った。
拠点づくりは、国道254号沿いにある生田さんの土地を活用。まず1人用の小さな足湯を設けた。来夏をめどに、発芽酵素米を使ったバングラデシュカレーや、温泉の湯で入れたコーヒーなどを提供し、セラピーも受けられる「足湯deカフェ」をオープンする予定だ。
鹿教湯温泉を拠点に和太鼓演奏を通じて地域活性化などに取り組むチーム「丸子太鼓鼓城(こじょう)」を軸にした交流を進める音楽堂の整備も検討。ほかに、野外ステージ、ゲストハウス、コワーキングスペース、貸別荘、農作業が体験できる田んぼや畑、バーベキューエリアの設置なども視野に入れる。

「旅するマップ」良さをアピール

「松本、上田の両地域の人々が交流できる場所にしたい」。それが生田さんの願いだ。これまでの経験から、「地元だけで人を集めようと頑張っても限界がある」と痛感。合併前の旧上田市域や松本方面の知り合いにも声を掛け、賛同者を集めた。「知人からさらにその知人へ|と、人を通じて鹿教湯温泉の良さが伝わればいい」と期待する。
三才山トンネル無料化を機に作ったA3判のマップは「文殊テラス発鹿教湯健幸パワースポット巡り|願いを叶(かな)える旅するマップ」。作成作業は、松本に住む生田さんの友人が担った。
散策スポット10カ所、温泉の由来、「鹿教湯deおすすめ体験」「鹿教湯de美味(おい)しいランチ&スイーツ」などを掲載。「1年後の自分へ手紙を贈ろう」という催しも紹介している。
11月には「足湯deカフェ」の予定地で、足湯やキッチンカーによる飲食、野菜販売をするイベントを計画。生田さんは「鹿教湯にぜひ足を運び、温泉街を回ってほしい。いろいろな発見ができると思います」と話している。