2020.11.19 日本地域情報コンテンツ大賞・タブロイド部門で2年連続優秀賞

「脚」に特化 松本に県内初スタジオ

培った経験地元の人に

人生を健康に、美しく過ごすには、まず脚を鍛えよう─と、脚に特化したトレーニングスタジオが県内で初めて、松本市村井町西2にオープンした。
スタジオ名は「フレキシ」。オーナーはトレーナーとして都内のスポーツジムに約15年間勤めた経験のある長瀬建哉さん(40)だ。
アキレス腱(けん)を断裂した際に、「脚が悪いと日常生活にこんなに苦労することを知った」と話す長瀬さん。都内のジムで、脚の痛みに悩んでいたり美脚願望が強かったりする人の多さを実感、脚に的を絞ったトレーニングを提案したところ評判を呼んだ。
「培った経験を地元の人に還元したい」と3月、自身のトレーニングスタジオを開設。健康寿命延伸都市の一翼を、脚トレで担う。

的確な助言で悩みに応える

住宅街の一軒家。1階のリビングが「フレキシ」のトレーニングスペースだ。
10月下旬の平日、オーナーの長瀬建哉さんは、親子の女性2人を指導していた。脚を前後に開いてのスクワットでは、足裏のどこに力を入れるかや、骨盤の向きなどを細かくチェック。助言通りにやると強度が増し、的確に脚、尻の筋肉に効いているようで、歯を食いしばってやり終えた親子は、それを実感したかのように自分の脚をさすった。
安曇野市穂高有明で美容室を営む矢野敏美さん(58)は、O脚気味の脚をどう治すか、尻の筋肉をどうやって鍛えるかをプロに聞きたいと思っていたところ、友人からフレキシを紹介され、8月下旬から通い始めた。
矢野さんは「私の悩みに『どんぴしゃ』で応えてくれた。体重が変わっていないのに、体形が変わると希望が持てる」と満足そう。「友達にも紹介したい」と笑顔を見せた。
「使い過ぎの筋肉がある一方、使っていない筋肉もある。そのバランスを取ることで、痛みの改善や美脚につながる」と長瀬さん。「脚は体の土台。土台を整えれば、体全体にいい影響があります」と強調する。

スポーツが好き努力し資格取得

上松町出身。小学3年生からサッカー一筋だった。高校まではレギュラーとして活躍するなど順調だったが、大学で挫折を味わう。所属した日本体育大のサッカー部には全国の強豪校からつわものが集まっており、最後まで登録メンバーにもなれず、存在感を発揮できなかった。就職も当初はスポーツ関係を志したが、スポーツに対する挫折感が強く、アパレルの小売りなど全く違う分野の仕事に就いた。
卒業して4年たち、上松町に戻っていた長瀬さんは、自分が本当にやりたいことについてもう一度考えた。出した答えは「やっぱりスポーツ」。スポーツクラブのトレーナーを目指し一念発起。再び上京した。
最初に就職したスポーツクラブでは「休みは3カ月に2日」というほど、仕事とトレーニングの勉強に没頭。加圧トレーニングなどの資格も取得した。その努力が認められ、クラブの支配人も任された。
30歳の時、転機が訪れる。パーソナルトレーナーとして独立。収入を得るには、業務契約したスポーツクラブで自分に付いてくれる顧客を獲得しなければならなかった。他のトレーナーは声を掛けるなどして勧誘したが、長瀬さんが取った作戦は「チラシ」。その内容が「脚に特化したトレーニング」だった。
20分間の無料レッスンで、痛みの改善など「必ず結果を出す」ことを自分に課し指導。その成果が口コミで徐々に広がり、顧客が増えた。業務契約していたスポーツクラブに数百人いるトレーナーの中で売り上げナンバーワンになったことも。
40歳になったら地元で自分のスタジオを持つことを目標にしていた長瀬さん。約5年前から上松町で月2回、高齢者を相手に指導を始めた。いとこに、松本山雅FCの元選手で現在スポーツクラブ事業を担当している今井昌太さん(36)がおり、1年半前から山雅のイベントでも指導するなど中信地域での活動を増やしてきた。
「脚に悩みを抱える人は多い。頼ってくれる地元の人の期待に応えたい」と長瀬さん。当初は東京と松本を往来しながら仕事をする計画だったが、コロナ禍を受け、東京の顧客は信頼できるトレーナーに引き継ぎ「フレキシ」だけで勝負する。