2020.11.19 日本地域情報コンテンツ大賞・タブロイド部門で2年連続優秀賞

カレンダーで動物に愛を 松本の藤田さん動物愛護団体支援

動物の命守る活動支援したい

くつろいだ表情の猫、人なつっこい笑顔を見せる犬。百匹近い犬猫の愛らしい写真が所狭しと並ぶ。
地域猫の管理や保護に取り組む団体「ネコと動物愛護」が作る「チャリティーカレンダー」2021年版が発売された。同団体代表で、松本市城山の藤田慶美さんが始めて11年目。今や県内だけでなく全国にも広く知られるようになった。
これまでカレンダー販売の収益は全額、関係する動物愛護団体の活動資金に充当。犬猫の保護や飼育、治療、譲渡、啓発などの活動を支えてきた。
ステイホーム中に犬や猫に癒やされた人も多かったコロナ禍の今年。一方で、各地の犬猫譲渡会やイベントも相次いで中止に。愛護活動の停滞が心配される中、例年以上にカレンダーの収益に関係団体の期待がかかる。

15年前の雨の日子猫を保護して

「ネコと動物愛護」代表の藤田慶美さん宅にお邪魔すると、3匹の猫が迎えてくれた。根っからの猫好きと思いきや、かつてはどちらかというと猫嫌いで、ペットも飼ったことがなかったという。そんな藤田さんの「人生を変えた出会い」は15年前の雨の日だった。
当時住んでいたアパートの駐車場で子猫を見掛けた。ミャーミャーと泣く弱々しい姿に「飼うつもりはなかったが、放っておけなかった」と保護。食べ物や排せつのことも分からずネットで一から調べるうちに、全国で30万匹以上の犬猫が殺処分されていることや、ガス室で最期を遂げる過酷な実情を知った。
その衝撃に突き動かされるように、状況を調べたり保健所を見学したりと知識を深め、「ネコと動物愛護」の名でサイトを立ち上げて情報発信を開始。次第に、地域で動物愛護活動をするボランティア団体とつながるようになった。そして犬猫の保護や飼育などには多くの経費がかかり、資金不足に悩んでいるのを知って「チャリティカレンダー」の製作を思い付いた。
初回の2011年版は地域猫(外で暮らすが、不妊化手術を施され、管理された猫)の写真を自分で撮り、自費で800部を製作。収益は全額、県内の2団体に寄付した。14年版からは写真を公募。徐々にカレンダーも認知され、今年は全国から250点もの応募があった。「写真を選ぶのにもひと苦労」とうれしい悲鳴を上げる。

新型コロナ影響 活動の支えにも

5500部作った21年版も、製作や印刷の経費を除いた売り上げの多くが寄付に回る。「ねこの会(松本市)」「ゆめまるHAPPY隊(同)」「ラッキーフィールド(大町市)」など、県内8つの動物愛護団体がそれぞれカレンダーを預かって販売。各自が売り上げた部数がそのまま収益となる形だ。
コロナ禍の今年は、年間4、5回ある保健所からの犬猫の「譲渡会」が中止に。県動物愛護会が毎年9月の動物愛護週間に各地で開く「フェスティバル」などのイベントもなくなり、各団体は資金集めの機会が減って厳しい状況だという。
団体の一つ、松本市双葉の「一般社団法人もふもふ堂」。保健所で殺処分される前の猫を引き取って飼い主を探す譲渡型の「ねこカフェもふもふ」とシェルターを運営しており、現在60匹を世話している。責任者の竹内満美子さんは「運営資金は寄付頼みで、カレンダーの収益はとても大きい。病気やけがをしている保護猫の治療費に充てたい」と話す。

保護動物に目を 地道な活動続け

全国では年間約3万8000匹(18年度)の犬猫が殺処分されている。動物愛護機運の高まりや、地域団体による地道な活動が奏功し、10年前の10分の1程度まで減った。一方で、一部業者による劣悪な飼育環境、虐待など、悲惨なニュースも後を絶たない。
人間の身勝手でかわいがられ、捨てられ、命を落とす動物たち。藤田さんも、地域猫を増やさないための不妊化手術、地域猫の保護や譲渡などの活動をしており、カレンダーのページごとに動物愛護に関する「豆知識」やメッセージも盛り込んでいる。
藤田さんはカレンダーを購入してくれる人に感謝しつつ「地元で地道な活動をしているボランティアを知ってもらい、動物を飼いたいと思った時に保護犬・猫に目も向けてもらえるとうれしい」と話している。
カレンダーは広げるとA3サイズになる壁掛け型で、税込み1000円。問い合わせは、藤田さんが運営する猫用品のネットショップ「猫堂」電話36・8834