【像えとせとら】芳川小学校 ふくろう像(松本市小屋北2)

花や緑に囲まれた「知恵の神」

学校の正門を入ってすぐ右手に、かわいらしい石像がちょこんと立っている。足元にこんもりとつる植物が茂り、紅葉したホオノキやモミジに囲まれた一角は、小さな森のよう。マリーゴールドなどの花も彩りを添え、児童らに大切にされているのが分かる。
高さは50センチほど。自己主張する大きさではない。昇降口への道が低学年と高学年で分かれる場所で、登下校する子どもたちをまん丸の目で静かに見守っている。なぜここにフクロウが?
髙坂秀樹教頭(55)によると、1998(平成10)年度の卒業生から記念品として贈られたもので、南箕輪村出身の彫刻家、村澤明生さんが、県内で採掘された石を使って「知恵の神」であるフクロウを作ったという。像の土台には、卒業生一人一人の願いや、座右の銘を書き込んだ小石が使われている。
このフクロウにニックネームが付いているのではと思い、複数の児童に聞いてみたが「知らない」「ない」との答え。でも「ここは『ふくろう花壇』だよ」と教えてくれた。
像の周りにある花壇は6年生が花を植え、草取りをしたり、水やりをしたりして手入れをしている。集合写真を撮ったり、校外活動へ出掛けたりする際に集合するのは「ふくろうの前」。設置から20年以上たち、親子2代でこの像に親しむ児童もいる。