大町市のしらかば保育園 手作りおもちゃが子どもに人気

筒状のおもちゃの上から入れた木のボールが筒先から出て床を転がる。その先にある箱にボールが入ると、2歳の男の子はにっこり笑った。大町市平のしらかば保育園の長時間保育室。園児に大人気の手作りおもちゃには、ものづくりが大好きな大人たちの工夫と思いが詰まっている。
作り手の中心は、同園の長時間担当保育士の中村祐子さん(69、同市平)。牛乳パックをつなげて長い筒状にし、部分的に角度を付けた。補強や接着のため、表面に和紙、その上に柄紙などを貼り重ね、舐めても安全なこんにゃくのりを塗って仕上げた。同園はジャコウアゲハの飼育をしており、チョウチョの柄もあしらった。
中村さんは、ものづくりをしながら交流する信濃大町駅前のコミュニティースペース「ゆいせきや」に約1年前から通う。ここでは木や竹などで編んだ骨組みに和紙を貼り重ね、柿渋で仕上げる「一閑(いっかん)張り」の技法を使って籠バッグや小物入れなどを作っている。
今夏、「ゆいせきや」でおもちゃ作りを始めたところ、「ボールの通り道が見える窓があったら面白いよ」「ふたが付いた窓があってもいいよね」など仲間と話が盛り上がった。同世代の女性たち4、5人が自分の制作を後回しにして手や口を出して熱中。一閑張りの技法を応用したおもちゃが完成した。
筒状おもちゃのヒントは、園児の一人が中村さんのエプロンの内側にボールを入れて落とす遊びを楽しんでいたこと。かつては「こんなふうに遊んでもらいたい」と考えておもちゃを作ったが、今回は「子どもが求める遊びに応えよう」との視点で臨んだ。
園児が楽しく遊ぶ様子を聞き、仲間の一人は「私たちも楽しく作らせてもらった」。中村さんは「一人ではありきたりの物になっていた。子どもも作り手もお互いが楽しく、心が通ったようでうれしい」とほほ笑んだ。