読書好きの4人に聞く 秋の夜長にお薦めの1冊

日が落ちるのが早く、家で過ごす時間が長くなる時季です。こんなときに親子で読書を楽しみませんか? 子どもと同じ本を読んで感想を言い合ったり、かつて親しんだ絵本や児童書をもう一度読んだりすると新しい発見があるかもしません。読書好きの4人にお薦めの1冊を聞きました。

★こぶたのピクルス (小風さち文、夏目ちさ絵、福音館書店)
元気なこぶたの男の子ピクルスの日常を描いた絵本童話で、4つのお話で構成されています。子どもの真っすぐに突き進む姿やおかしさがたっぷり詰まっていて、優しい文章が心にほっと響きます。すてきな挿し絵もピクルスの気持ちを伝えてくれます。
私はピクルスの一生懸命さやユーモラスな部分に「うちも同じ!」とわが子を重ね、子どもは思わぬ失敗をするピクルスの姿や明日を待ち遠しく思ってわくわくする気持ちに共感していました。
あっという間に読み切った子どもたちは「面白い、かわいい、泣く気持ちわかる!」。4話のうち、わが家の一押しは「ピクルスと卵」です。続編の「ピクルスとふたごのいもうと」もぜひ読んでみてください。
(松本市・ももた、中2めい、小6ペイント)

★霧のむこうのふしぎな町 (柏葉幸子著、講談社)
小学6年生のリナが一人旅に出掛けるお話です。行き先は霧の谷。長野へ行こうと思っていたのですが、お父さんに勧められたからです。
その町でリナは次々と家を訪ねて仕事を手伝い、人々の優しさや人情に触れて成長していきます。登場人物がそれぞれ面白くて引き込まれます。
この本はお父さんがインターネットのレビューを見て買ってくれました。私は寝る前に本を読んでいますが、自分が選ぶものはいつも同じような本になってしまうのでうれしかったです。ファンタジーが好きな人に特にお薦めします。
(安曇野市・小5・山口ののかさん)

★モモ (ミヒャエル・エンデ作・絵、大島かおり訳、岩波書店)
部活の顧問の先生に勧められて読みました。ある日、主人公モモの住む町に、時間泥棒がやって来て「無駄な時間を節約しよう」といい、人々は時間を節約し始めます。実はその節約した時間は泥棒が盗んでいるのですが、人々は知らずに働きます。
時間の倹約によって本当なら町も人もお金が入り、豊かになっているはずですが、大人も子どもも笑顔がなくなってしまい人生を楽しむことを忘れてしまいます。そこでモモが時間を取り返すというお話です。
今年は新型コロナウイルスによる休校で時間がたくさんありました。のんびり楽しく過ごすのもいいと思った半面、だらだらしてしまった面もあり、この本が時間の使い方について考えるきっかけになりました。
(安曇野市・野球好き・中2)

★夏の庭 The Friends (湯本香樹実著、新潮社)
中学生の時に初めて手にし、それ以来何度も読んでいる1冊です。大人でも子どもでもないような思春期。大人になるとはどういうことだろうと考えてみたくなる物語です。
主人公は小学6年生の3人。そのうちの1人の祖母が亡くなったことをきっかけに「人が死ぬ」ということに興味を持ち始めます。そこから近々死ぬのではないかという1人暮らしのおじいさんを観察し始めることになり、やがて交流が生まれます。
おじいさんと出会わなければ経験することができなかった数々の出来事が、3人を成長させていく様がうまく描かれています。登場する食べ物が生き生きと書かれているのも魅力です。子どもと大人の中間にいる中学生にぜひ読んでほしいです。
(安曇野市・根津彩香さん)