【なないろキッズ】 #50 心地よい対人距離を知る

新型コロナウイルス感染症の予防策としての「新しい生活様式」。マスクを着けたり、アクリル板やシートがどこにでもあったりして、うっとうしいな、煩わしいなと感じながらも、だんだん生活に定着してきたようでもあります。私の外来にいらっしゃるお子さんやその家族の中には、意外と「新しい生活様式」が居心地が良いという人も少なくないようです。
ある大学生の方は、コンビニでバイトをしていましたが、レジにビニールシートが1枚掛けられたことで、「接客をするときの緊張感が格段に下がった」と、お話ししてくれました。
別の小学生は、初めての人になかなかなじめなかったり、1対1で話すと緊張したりして、習い事を始めることができないでいました。
しかし、コロナ禍をきっかけに、前から習ってみたかったという英会話をオンラインで始めてみたところ、外国人の先生との初めての会話だというのに、タブレットの画面を通すためか全く緊張感を感じず、家でリラックスした雰囲気でレッスンに臨めたとのこと。
「ビデオ通話だと全然怖くないんだよね」「オンラインのピアノとかスイミングとかもあったらやりたいのにな」と話してくれました。
また、大人の方でも、飲み会や社内イベント、地域の行事が減ってとても楽だと感じている人は少なくないように思います。
逆に、オンラインだとかえって話し掛けにくく、孤独を感じる人ももちろんいるでしょう。
心地よい対人距離は、人によってまちまちです。コロナ禍がきっかけで、当たり前にこなしていた、対人関係のストレスに気付いたという人もいます。ICT(情報通信技術)などもうまく使って、自分にとって心地よい対人距離を、上手に選べるように選択肢が増えるとよいなと思ったりしているところです。