運動嫌いな子運動楽しく

「がった坊主運動教室 」 長崎さん工夫の指導

塩尻市広丘吉田の吉田東公民館広間に自前の跳び箱、鉄棒、マットなどを持ち込み、遊びを交えながら、子どもたちに運動の楽しさを伝えている。
「まさ先生」の愛称で呼ばれるスポーツトレーナー長崎将利さん(29、広丘高出)。月2~3回開いている「がった坊主運動教室」は、野球やサッカーといった特定のスポーツでなく、運動が苦手だったり嫌いだったりする子が体を動かすことを楽しめるようにするのが目的だ。
やんちゃで元気のいい「がった坊主」を1人でも増やしたいと、昨年4月に始めた同教室。保護者からも「子どもが運動好きになった」などと好評だ。
「将来、公園にあるような大きな遊具を入れて、親子で運動が楽しめるような施設ができたら」。長崎さんはさらに夢を膨らませている。

「基本が大事 」 モットーに 「まさ先生流 」 でやる気引き出し

11月下旬、「がった坊主運動教室」会場の吉田東公民館。年少・年中、年長~小学2年生の2クラスに参加した計10人前後の子どもたちが、長崎将利さんの指導で元気に体を動かしていた。
年少と年中クラスでは、まず腹ばいになって手足を動かして前進する「ワニさん歩き」と、四つんばいになって手足を伸ばして歩く「クマさん歩き」でウオーミングアップ。その後、ポールに張ったゴムひもを跳んだり、跳び箱の上から大きくジャンプしたり、鉄棒で前回りをしたり。
ただ、「まさ先生」がするようにはなかなかできず、はたから見ると「危ない」と思う場面も。だが、それをやらせるのが「まさ先生流」だ。「けがの防止には万全の注意を払っている。『危ない』とばかり言っていたら、運動にはならない。それは保護者もよく理解してくれている」と長崎さん。
6歳と4歳の子どもが参加している熊谷晃世さん(36、塩尻市広丘吉田)は「子どもたちは楽しみながら運動をしていて自信も付いた。将来、どんなスポーツにも対応できるのでは」。同じく2人を参加させている田村ゆかりさん(35、同)は「控え目で最初はできるか心配だったが、まさ先生の明るさでやる気になった」と話す。

ランニング教室大人への指導も

子どもたちに教えるのとは対照的に、大人への指導は厳しい。
松本市神林に4月、「まさ先生のフィットネスクラブ」をオープンした。けがをしない体づくりを重視したランニング教室だ。
太もも、尻など下半身のストレッチを入念にした後、「TRX」という器具を使い自重を利用した腹筋運動。「さあ、20回いきましょう」。長崎さんの奮い立たせるような掛け声は「厳しいトレーナー」そのものだ。
3年前から本格的にランニングを始めた塩尻市の会社員、加藤健一さん(51)は、フルマラソン完走を目標に約2年前から長崎さんの指導を受け、昨年の長野、松本マラソンで達成。「効率的な体の使い方ができるようになり、走るだけでなく、もう一つの趣味のスキーにまでいい影響がある」とトレーニングの効果を実感している。

長崎さんは田川高校(塩尻市)から、スポーツ関係の専門学校に進学。卒業後、地元に戻りスポーツジムでアルバイトをしながら、トレーナーの勉強をした。25歳の時に、ランニング指導を強みにしたパーソナルトレーナーとして独立した。
同時に、松本短大の柳沢秋孝名誉教授が提唱する養育方法「柳沢運動プログラム」を実践する「運動保育士」の民間資格を取得。県内数カ所の保育園などで巡回指導を始めた。「がった坊主運動教室」で導入している運動は、柳沢運動プログラムを基に長崎さんがアレンジしたオリジナルのプログラムだ。
子どもも大人も「基本が大事」をモットーに指導。「がった坊主運動教室」「まさ先生のフィットネスクラブ」と、NPO法人CFM実行委員会が開き自身がヘッドコーチを務めている「松本Runらんクラブ」を活動の3本柱とし、体を動かす楽しみや喜びを広く伝えていく。