黒猫2匹主役の作品展

松川村の版画家・伊藤さん 9日まで安曇野山岳美術館

松川村の版画家、伊藤陽さん(63)は9日まで、安曇野市穂高有明の安曇野山岳美術館で個展「風に会いに」を開いている。近隣で個展を開くのは2016年2月以来。自宅兼工房で飼っている黒猫2匹を主役にした童画風の作品やユーモアあふれるものなど、シルクスクリーンで制作した32点が並ぶ。
画風は主に筆描き風と切り絵風の2種類。筆描き風では猫の体や、花木を柔らかく表現。赤やオレンジ色のヒナゲシのそばで、半月状の段ボールに入って遊ぶ猫を描いた「月の舟」などがある。
今年の新作は6点。筆描き風の「いつもの場所-春が来る」は、アネモネの花の中で埋もれるようにくつろぐ猫の絵で、柔らかい色調。「りんご畑のむこうで」は、リンゴの花を大きく表現し、その近くをゆったりと歩く黒猫を描いた。上下には自宅近くの有明山と色づき始めた麦を配した。
「今春はコロナ禍のため、私たち人間も出歩かず、庭で猫と一緒に過ごしていた。それでも、こうして作品を生み出すことができ、仕事があることに改めて感謝の念を持った」と話す。
切り絵風はシャープなタッチで、個性的な猫たちを表現。魚柄の布をマントのように巻き付けて出掛けようとする2匹の黒猫をコミカルに描いた「小さな旅の始まり」や、主が留守の部屋で体を伸ばし自由に過ごす猫の姿を想像して作った「アトリエ」などがある。
午前10時~午後4時。一般600円、中高生300円。木曜休館。同館 ℡0263・83・4743