リユース容器でテークアウト

新型コロナウイルスの感染拡大で需要が伸びた料理や食べ物のテークアウト。同時に、容器のプラスチックの使用量も増え、ごみ出しなどの際に資源や環境問題に考えを巡らせ心痛める人も多い。
その一人、安曇野市のIT関連企業「サポーターズ安曇野」代表でシステムエンジニアの丸山剛さん(42)は、ごみ削減や脱プラスチックに向けたプロジェクトを友人たちと形にした。その名は「arulife(アルライフ)」。第1弾として11月中旬、テークアウト用のリユース(再使用)容器「ARUPAKKE(アルパッケ)」の運用を始めた。
目指すのは、使い捨てでなく「有る」ものを使う生活(ライフ)。次世代のために持続可能な社会をつくり、環境に配慮した暮らしを安曇野から発信する「アルライフ」とは─。

ごみ削減などに向けたプロジェクト  アルライフ

第1弾企画は「アルパッケ」

「食べ物の容器ごみが増えた」
コロナ禍でテークアウト需要が増える中、丸山剛さんはごみ処理業者からそんな話を耳にした。一方で、飲食店からは容器が品薄で入手しづらく、金額的にも負担になっていると聞いた。
容器ごみを何とか減らせないか|。5月下旬、丸山さんは、友人でコワーキングスペース「北アルプスワークサイト」を運営する鶴飼博将さん(48)を訪ねた。鶴飼さんの妻の友紀さん(47)は安曇野市穂高柏原でカフェギャラリー「月とビスケット.」を経営。鶴飼さん夫婦は容器を提供する側として、容器ごみ増加と営業とのジレンマを感じていた。
3人は話し合いを重ね、2週間後にはプロジェクトの具体的な内容を決めた。かつて、豆腐屋へ鍋を持って買いに行ったように、リユースできる容器での買い物を普通の光景にしたい|。第1弾企画「アルパッケ」が動きだした。

4店が参加し提供スタート

8日時点で、安曇野市と松本市の計4店が企画に参加。参加店では、テークアウトメニューを使い捨ての容器ではなく、リユースと環境に配慮したアルパッケで提供する。アルパッケは、木工メーカーの製造過程で出る天然ヒノキの木粉にプラスチックを混ぜ合わせて再利用した素材でできており、抗菌と消臭効果があるという。
利用客は、アルパッケに入った食べ物を購入し、食べた後にアルパッケを返却する。返却先は購入した店でなくても参加店ならどこでも可能。容器は各店で洗浄する。容器は食洗機と電子レンジにも対応。料理好きで、自分で作った弁当をSNS(会員制交流サイト)にもアップしている丸山さんは、温め直し可能かにもこだわった。
アルパッケは250個購入。その代金と、アルライフのホームページ制作費やチラシなどの販促物は県の「飲食・サービス業等新型コロナウイルス対策応援事業」の補助金で賄った。
アルパッケを導入しても特段の利益につながるわけではなく、むしろ容器の保管や洗浄などの手間がかかる。でも、「子どもたちに残す未来への思いを共有できる」として声を掛けたどの店も二つ返事で快諾した。
参加店の一つ、安曇野市の「そば処(どころ)安留賀(あるが)」(穂高)の有賀長門さん(49)は「独自にリユース容器を探したが断念していた。声を掛けてもらえてうれしかった」と話す。

「コロナのピンチをチャンスにしたかった」と鶴飼さん。今後、アルパッケの会員が集まって、SDGs(持続可能な開発目標)について考えるコミュニティーができればいい─との思いもある。
「安曇野のカフェで出たコーヒーかすで何か作れないかな」。地域の人たちと広げていく安曇野発のプロジェクト「アルライフ」のアイデアは尽きない。

【アルパッケの利用法】
参加店の店頭で、年会費500円と初回のみのデポジット(預かり金)500円を払って会員登録する。購入時と返却時にメンバーズカードに押されるスタンプを集めると特典がある。参加店などの詳細と問い合わせはアルライフのサイト(https://arulife.azumino.net)