勝負は3年プロゴルファーへ腕磨く 松本市出身・中村鎌大さん

自分を信じ、勝負の2年目へ

プロゴルファーになるための「勝負の3年間」と区切りを設け、1年目が終わった。
「努力すればしただけ結果が付いてくることが分かった」。明るい表情で話すのは、松本市出身で兵庫県西宮市在住の中村鎌大(けんた)さん(23)。
今春、同市にある関西学院大を卒業。所属していたゴルフ部での成績に不完全燃焼の思いを抱き、プロを志した。アルバイトをしながら、初めてゴルフ漬けの1年を過ごした。
今年、最大の目標だったプロツアー本戦の出場機会を得るためのQT(クオリファイングトーナメント)ファイナルラウンド進出は果たせなかったが、手応えはつかんだ。
「焦りはない。駄目ということは絶対にない」。自分を信じ、目標に向けてさらに腕を磨く。

松本CCが出発点コロナ禍も地道に

今月12日、中村鎌大さんは、小学生のころからゴルフ教室などで世話になった松本カントリークラブ(内田)の池上秀支配人(65)を訪ね、この1年の結果や収穫などを報告した。手応えをつかんだ中村さんに対し、池上さんは「鎌大にはプロになってファンをつかむ要素がある。鎌大の夢は、松カンの夢だ」と激励した。
中村さんは関学大を卒業後、「ゴルフのための自分への投資になるから」と、西宮市内のスポーツジムとゴルフ練習場でアルバイトを始めた。コロナ禍で大会が相次いで中止になる中、地道にトレーニングを続けてきた。
大一番のQTファーストラウンドを数日後に控えた10月22、23日、中村さんは社会人日本一を決める「第51回日本社会人選手権」に出場。出場選手中、唯一、2日間アンダーパーで回り、2位入賞を果たした。
コロナ禍で変則開催となった今年のQTファーストラウンドは全国7会場で開催。中村さんは10月27~30日に栃木県の太平洋クラブ益子コースで開かれたトーナメントに出場した。結果は4日間通算で2アンダーの25位。ファイナルラウンド進出に5打及ばなかった。
「QTでファイナルに進めなかったのは今の実力」と冷静に振り返りつつ、「スコアが(アンダーパーで)安定していたのはよかった」と前向きに自己評価した。

大学4年時に不振悔しさプロの道へ

中村さんは、田川小4年の時に松本カントリークラブが主催する「ジュニアゴルフ教室」に参加したのを機に競技ゴルフを始めた。松本秀峰中等教育学校5年時には全国大会にも出場。大学でもゴルフ部に所属したが、入学当時は「プロ志向は全くゼロだった」。
しかし3年時、学生ゴルファー日本一決定戦といわれる「朝日杯争奪日本学生ゴルフ選手権」で16位に入賞。その時の13位は、1学年下で現在、日本男子プロゴルフ界で最も注目されている金谷拓美プロ(22、東北福祉大4年)。「同じ土俵で戦えている」。プロへの思いが芽生えた。
しかし、4年時はビッグタイトルは全て予選落ちし、初めて挑んだQTも「まさかの」ファーストラウンド敗退。散々な結果に終わった。「この悔しさを残したまま競技ゴルフを終えていいのか」。この思いがプロを目指す決定打になった。
大学での試合が終わった昨秋から、それまでほとんどやっていなかったウエートトレーニングを開始。数カ月間で体重を10キロ増量したことで、ドライバーの飛距離が20ヤードほど伸び、平均290ヤードに。今年2月から、芹澤信雄プロが校長を務める「チームセリザワ・ゴルフアカデミー」(静岡県御殿場市)で細かな技術などのレッスンを受けている。
10月の社会人選手権で優勝を競ったアマ界を代表するトッププレーヤー、水上晃男さん(53)は「中村君がプロのような球筋で打つので必死だった」。一方、今月、競技会で一緒にプレーした今年の日本シニアオープン覇者、寺西明プロ(54)からは「今のドライバーとパッティングではプロでは通用しない」と厳しい評価も受けた。
「プロとアマの差は大きい」と中村さん。「自信とは『自分を信じる』こと。そうした心境でプレーができるまで努力したい」。勝負の2年目を見据えて前を向いた。