松本大・柴田さん開発「ほめるbot」

「生きてるだけで褒められたい!」。松本大(松本市新村)総合経営学部観光ホスピタリティ学科4年生の柴田文(ふみ)さん(21)が、無料通信アプリLINE(ライン)を使ったチャットの自動応答プログラム「ほめるbot(ボット)」を開発した。何げない言葉をロボットが肯定して褒めてくれ、落ち込んだ時も前向きな気持ちにさせてくれるという。

落ち込んだ時も前向きな気持ちに

LINEの開発者向けサービスとプログラミング言語「Python(パイソン)」を活用した。LINEで「ほめるbot」を友だち登録し、「トーク」画面で今日あったことなどを書き込むと、その言葉に応じて肯定的なメッセージが自動で返ってくる。
例えば「疲れた」と書き込むと、「今日も一日お疲れさま!疲れたって誰かに伝えられて偉い!」と返信が来たり、「眠い」とつぶやくと「眠いのに起きててえらーい!仮眠とるのもありだよ~」などとアドバイスをくれたりする。ネガティブな言葉に対してはポジティブに励ましてくれ、「ほめて!」と言うと、さまざまな褒め言葉を返してくれる。
ロボットとの会話は、開発者を含めて他人が見ることはできない。プログラムは一般に公開していないが、柴田さんの友人ら30人余が試験的に使って好評という。

「ほめるbot」を作ったのは、就職活動がきっかけだった。総合職など計30社ほど受けたが不採用が続き、「まるで自分の存在すべてが否定されたような気持ちになった」という柴田さん。そんな時、「無条件で誰かに褒められたい。自分のことを理解し、認めてくれる人がいたら、どんなにうれしいだろう」と思った。
中学時代、いじめを受けて不登校になり、一時は人間不信に陥ったが、ある臨床心理士と出会って心が救われた。「どんなことも否定せずに話を聞いてくれ、受け止めてくれた。それがうれしかった」
社会福祉士の資格を取ろうと松本大に進み、実家の伊那市から片道2時間かけて通う。これまで福祉の勉強を続けてきたが、就活で自己分析するうち、プログラマーやエンジニアになりたいと思うように。
独学でデザインを学び、2年生の時にフリーのデザイナーとして起業。公共施設のパンフレットやイベントポスター、ロゴのデザインなども手掛けてきた。「ほめるbot」の開発が決め手となり、東京のIT企業に就職が決まった。
柴田さんは「学んだ福祉の心を土台に、これからはエンジニアとして活躍したい。人の心に寄り添い、世の中のためになるようなソフト開発や、社会貢献ができたらいい」と夢を膨らませている。