ベンチプレス選手・瀧本高博さん けがから復調

挑戦できるもの=生きがい

松本市笹賀の会社員、瀧本高博さん(24)は、ベンチプレス競技に打ち込んで5年。昨年5月の世界選手権U―23(23歳以下)105キロ級で世界記録(222キロ)を樹立したトップ選手だ。さらなる飛躍を目指した今年は、けがの悪化で競技歴の中でも大きな挫折を味わったが、フォーム改造などで徐々に調子を取り戻している。
瀧本さんの練習拠点は、ベンチプレスのウエートトレーニングに特化したスポーツジム「ボディ・アート・デザイン」(同市島内)。21日夜は約170キロのバーベルを4回上げるのを1セットとし、これを繰り返した。
「最近になってようやく復調したが、9月ごろはベンチプレスの動作すらできなかった」と瀧本さん。
200キロ以上のバーベルを上げる瀧本さんの肩と肘には、慢性的な痛みがあり、今年になって悪化。これまでに身に付けた効率的なフォームで上げることができなくなった。
そこで取り組んだのがフォームの改造だ。ベンチプレスは、バーベルを上げ下げする距離が短いのが有利とされ、バーベルを握る手の幅をルール内でできるだけ広くするのが一般的だが、瀧本さんは痛みが出にくい握り幅を模索。肩甲骨の動かし方や胸の張り方なども一から見直した。
「原点回帰。このフォームで、だいぶ上げられるようになった」と表情は明るい。

松本美須々ケ丘高校で陸上部に所属し、ハンマー投げで3年時は全国高校総体(インターハイ)に出場した。松本大に進学して陸上をやめたが、高校時代から習慣になっていた筋力トレーニングは続けようと思っていたところ、「ボディ―」オーナーで世界的なベンチプレス競技者の鈴木佑輔さん(36)と出会い、魅力にはまった。
産業廃棄物処理などの「フロンティアスピリット」(同市和田)に就職する際も、ベンチプレスの競技者として活動することを伝え、理解を得た。2016年1月に競技会に初出場し、当初は110キロだった記録は、3年後に200キロ以上に伸びた。
来年1月3日に、高校時代から付き合い続けてきた女性と入籍する。瀧本さんは「彼女も競技を続けることを理解してくれている。おいしい食事も作ってくれると思う」とのろける一方、「『挑戦できるもの』イコール『生きがい』。来年は自己記録(230キロ)更新を目指す」と気合が入る。