憧れの御嶽海に続け

10日に初日を迎える大相撲初場所に、西小結として臨む御嶽海(上松町出身)。三役は通算22場所目で、今年こそ大関昇進が期待される。幕内上位で活躍し続ける郷土力士は、地元の相撲少年たちの憧れの存在であり、目標だ。「御嶽海のような力士に」「御嶽海に追い付き、追い越せ」と精進する子どもたちを紹介する。

【 木曽町中学相撲部 】 同じ土俵で稽古─全中優勝目指し

少年時代の御嶽海も汗を流した学校の土俵(冬場は柔剣道場)と木曽町民相撲場で、2年生4人と1年生2人が「先輩に続け」と日々、熱のこもった稽古を続ける。
新型コロナの影響で昨夏の全国中学大会(全中)が中止され、出場もできずに引退した3年生5人の思いを、6人が引き継いだ。目標は、御嶽海も旧福島中(現木曽町中)時代に成し遂げられなかった全中優勝だ。
小学6年時に全日本小学生優勝大会を制した主将の林玲さん(2年)と、双子の兄で副主将の琉さん(同)ら、部員全員の憧れの力士が御嶽海という。
一昨年6月、町民相撲場で行われた出羽海部屋初の木曽合宿の際、御嶽海の胸を借りた玲さんは「全力で当たってもびくともしなかった。すごく重かった」とその実力を肌で感じ、琉さんは「いつか同じ土俵で戦って倒したい」と、兄弟で夢見る「横綱」への思いをいっそう強くした。
小学2年生から相撲を続ける中谷良典さん(同)は、御嶽海からすり足について助言をもらった。すると、それまで一度も勝てなかった林兄弟を破るなど、急成長を遂げた。
軽量級の神山優輔さん(同)と森口拓心さん(1年)は「御嶽海関からいつも元気をもらっている。今年こそ大関昇進を」と口をそろえる。

【信州塩尻相撲クラブ】胸借り技参考に─元気いっぱい励む

塩尻市内をはじめ、松本、安曇野、岡谷、諏訪市の幼児から中学生まで25人が、春から秋は市立体育館併設相撲場、冬場は大門公民館で、元気いっぱいに稽古に励んでいる。
主将の山口武琉君(11、開明小6年)は御嶽海の胸を借りたことがある。相手に合わせて技を使う器用さに加え、「気持ちのスイッチを入れるのがうまく、見習いたい」。大きな相手を怖がる自身の弱点を克服し、中学生になる今年の成長を誓う。
中村祐俊君(11、吉田小5年)は、サッカー選手などいくつかある夢の一つが角界入り。目標の力士は御嶽海で「一気の押しがいい。何をするか分からないところもすごい」。
178㌢、103㌔と恵まれた体格の伊藤凜空さん(14、広陵中2年)は、御嶽海と同じ突き押しが得意で「よい相撲は、本当にすごい」とその取り口を参考にしている。コロナ禍でじっくり固めた基礎と蓄えた力を、中学最後の今年にぶつけるつもりだ。
クラブOBで、指導して10年になる監督の小林雄矢さん(32、安曇野市)は、相撲を始める子どもが増え、競技レベルも上がるなど、御嶽海の活躍の影響を強く感じる一方、「地元の相撲熱を維持するには第2、第3の御嶽海のような存在が欠かせない」と育成に力を注ぐ。