巣ごもり生活を豊かに 本屋さん3店のお薦め本紹介

これまで経験したことのないコロナ下で迎えた2021年。まだまだ「巣ごもり」生活を余儀なくされそうだ。こんな時は、静かに本に親しむチャンスでもある。松本、安曇野市の本屋さん3店に、新年のスタートに当たり「お薦めの本」を3冊ずつ選んでもらった。

凌雲堂書店・菅沼有紀さん】

☆ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(ブレイディみかこ著 新潮社)
息子が通う中学校はいろんな人種がいて、いろんな問題が起こる世界。思春期の子どもと母が、共に考え悩み乗り越えていく。「子育ての日常を描いているが、文章が心に響く。人種差別や貧困問題など社会性もある。子どもにはちょっと難しいが、子も親も読んでほしい」

☆ライオンのおやつ(小川糸著 ポプラ社)
がんと闘っていた女性が余命を告げられ、終末期をホスピスで過ごす。最後に食べたい思い出の「おやつ」を選べるのだが、いざ配膳された時には…。「自分も母を亡くしたので泣けてしまう」

☆ツリーハウス(角田光代著 文藝春秋)
祖父の死を契機に、親子三代がたどった道のりを、祖父母の満州での出会いにさかのぼってつづる。「戦争の話をできる世代が少なくなっている今、子どもたちにも読んでもらいたい一冊」

水琴堂社長・小松将彦さん】

☆らいおんガオくん(文マーラ・マーカス、絵ニーナ・ジョーンズ 大日本絵画
片手で操る人形が付いた仕掛け絵本。ガオくんを動かして遊べる。0~1歳くらいの子どもが対象。「本を自分でめくる前のころ、リアリティーをもって触れ合える」

☆子どもに伝えたい春夏秋冬和の行事を楽しむ絵本(三浦康子著、イラストかとーゆーこ 永岡書店)
お正月、ひな祭り、お盆など和の行事を月ごと、季節ごとにイラストを交え解説。和の行事は子どもに関わるものがほとんど。「行事のやり方やその意味を楽しみながら再確認でき、大人も子どもと一緒に楽しめる」

☆山の観天望気(猪熊隆之、海保芽生著 ヤマケイ新書)
山で見かける雲の特徴を知ることや、急変する山の天気から身を守る手だてを紹介している。写真も多い。急な豪雨や大雪など異常気象に対し、空を見て明日の天気を予想するのもいい。「雲を見て山をもっと楽しんで」

平安堂あづみ野店総店長・佐々木紀行さん】

☆モモ(ミヒャエル・エンデ著 岩波書店)
人々から時間を盗む「時間どろぼう」の出現に対し、不思議な少女モモは…。時間の大切さをテーマに「現代社会を問い直す普遍的なメッセージが隠されている」。自粛期間の20年春から改めて注目。「今こそ、大人も読んでほしい」

☆365日の広告コピー(WRITES PUBLISHING編 ライツ社)
ある商品や企業の魅力を伝える広告コピー。365日、その日、その季節にぴったりのコピーを並べたら名言集に。「大切な人への贈り物にしてもいいし、自分の手元にも置きたい」

☆2060未来創造の白地図(川口伸明著 技術評論社)
2030~60年ころの近未来。空飛ぶ車が上空を行き交い、人々はウエアラブルコンピューターを備えた衣服を身に着け…。あらゆる領域で未来像を描くが、空想物語に終始せず、科学的エビデンス(根拠)にのっとっており「著者が描く未来は前向きで『人類の未来は明るい』と思わせてくれる」