【なないろキッズ】 #54 ネットのルールを考える

文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」というものがあり、学校で子ども1人に1台、タブレットなどの端末が与えられるようです。多様な学びの実現のためにもICT(情報通信技術)を取り入れていけるのはよいなと期待も持てますが、保護者の方からは、インターネットの危険性を十分に分かっていない子どもに端末を持たせてしまうことへの不安も聞こえてきます。
これは発達障害の有無にかかわらず、インターネットにかかわる危険と安全な付き合い方について、しっかり学ぶ時間を持つことが必要ではないかと思います。
使い方のルールを決めたり、フィルターやブロックの機能を整えたりすることも大事ですが、ルールは破られ、かえってけんかや叱責(しっせき)の種になるばかりのこともあるし、フィルターやブロック機能も詳しい子どもに解除されることもあります。
子ども自身が、インターネットにかかわる危険性、安全な使い方について、知識を得て、自分で考えて判断できる力を養っていかなければ、ルールもフィルターもいたちごっこになるばかりです。
特に発達の偏りのあるお子さんは、先の見通しを予測できないまま衝動的に行動しがちだったり、刺激的なものを求めルールをあえて破ってしまったりもします。
逆に危険性を理解してルールを定めると律儀に守ることができるお子さんも少なくありません。できるだけ具体的にどんな危険があるのかを学び、お子さんの特性に合った守れるレベルのルールを本人と一緒に考えて決め、明文化しておくことがよいでしょう。
こうした整備をしたうえで、お子さんの認知特性に応じた多様な学びや、興味、関心を深めることを上手にICT活用できたらよいですね。