信州の思い出に美容室が土産品

あなたのおうちに、国宝一つ、いかがですか─。
「モナミ美容室」(塩尻市広丘原新田)のオリジナル商品「松本城アクリルスタンド(アクスタ)」の売り文句だ。15センチ四方で、松本城や立て札をくりぬき、台座に立てて「築城」する。プレートには歴代城主の家紋も入る。
「観光事業部」を持つユニークな美容室。オリジナル商品は「信州を訪ねた思い出に残るような、これまでにない土産品を」と開発した。第1弾は、松本城や開智学校などを表紙にした学習帳「寺子屋ノート」、第2弾はキーホルダー、そして第3弾が新製品の松本城アクスタだ。
オーナーの磐佐健太郎さん(42)は「本業は美容師なんだけど」と言いつつ、新商品の開発も楽しんでいる。

これまでにないアクスタを企画

「松本城の土産で、ないものって何かな」。ペーパークラフトの松本城はあるが、アクリル製は見かけない。松本城アクスタは、アニメキャラクターなどのアクリルスタンドが人気なこともあり、企画した。
アクスタに使う写真の撮影に苦労したという。「下から見上げるようにしたい」と、磐佐健太郎さんが撮影に挑戦。2カ月ほどかけたが、美容室の仕事をしながらではなかなかうまくいかない。プロカメラマンに依頼し、「天気が良く、松本城がきれいに見える日」に撮影してもらい、約3カ月後にやっと満足のいく写真が撮れた。「とても気に入っている」と磐佐さん。

表紙もこだわり松本城など全6冊

「寺子屋ノート」はA5判、40ページ。上田市にある「落城(おち)ない上田城学問帳」にヒントを得て「学都・松本」らしい名前を付けた。2017年に松本城の表紙を作り、20年に完成した旧開智学校の表紙まで全6冊を作った。
その一つ「奈良井宿」の表紙は、人がいない時間を狙い、午前6時に撮影を始め、3日間通って撮ったという力作。松本城は桜を入れ、本丸側から月見櫓(やぐら)を撮影。紅葉の秋バージョンもある。
表紙は表と裏で異なる写真を使っており、そのうち4冊は磐佐さん自身が撮影した写真を使っている。
「観光事業部」の商品開発を手伝うのは妻のかなえさん(36)。バッグに入りやすいサイズ|など使いやすさに加え、旅の思い出になるようなデザイン、アイテムを考える。
現在、地元の塩尻市にちなんだ「短歌ノート」を開発中。五七五七七のマスがあり、情景を書くスペースも設ける。ワインの銘柄や味、香り、ブドウの品種、一緒に食べたものなどを書き込む「ワインテイスティング帳」も考えているという。
「ものを作るのは本当に楽しい」と話す磐佐さん。「孫にプレゼントしたり、県外の親戚に送ったりと、いろいろ用途がある。コロナ禍で観光業は厳しいが、松本を訪れた人に喜んでもらえたら」と健太郎さん。「ご当地ノート」シリーズのほか、松本城の外壁をイメージしたデザインのワインクーラーなど「今までにないユニークなお土産を開発していきたい」と張り切る。

寺子屋ノートは1冊350円。アクスタは1980円。モナミ美容室のほか、松本丸の内ホテル、興文堂平田店などで扱っている。
表紙もこだわり松本城など全6冊