ダンプおやじBOY 笑い、涙、感動…人生を爆走中!

「ダンプおやじBOY」。松本市並柳4の小林尚樹さん(50)がフリーのラジオDJを務める際のパーソナリティーネームだ。「本業」は大型トラックの運転手。軽快でユーモラス、時に毒舌を交ぜた語り口で、リスナーを魅了する。
物語も作っており、こちらの方がDJより経歴が長い。夢は映画製作。脚本、演出、出演した最新作の短編映画が13日の「しまね映画塾2020」の作品発表会で、審査員特別賞に選ばれた。
自身の番組に「ドリームラジオ」と名付けたコーナーを設け、ラジオ番組作りに挑戦する小学生たちも後押しする。「何でも挑戦してみるのが面白い」と小林さん。笑いあり、涙あり、感動あり|。「ダンプおやじBOY」は、人生を爆走中だ。

何でも挑戦する面白さ

「愛のあるDJ」小学生も後押し
かつてのラジオ投稿用ペンネーム「ダンプおやじBOY」を、そのままパーソナリティーネームにした小林尚樹さん。小学生の頃から物語を書くのが好きだったという。
10年ほど前、ラジオに投稿したメッセージがパーソナリティーに爆笑され、投稿がやみつきに。その後も各局に投稿を続け、吉本興業所属のお笑いコンビ「ダイノジ」の目に留まり、ラジオドラマの創作を始めた。
その作品をまとめた著書が出版されたのがきっかけで、6年ほど前に各地のローカルFM局にゲストで出演。「しゃべりが面白い」と、東信のローカルFM局のDJに起用された。現在はLCVFM(諏訪市)に自身の番組「ダンプおやじBOYのやっつけラジオ♡ナイトメア♡」を持っている。
サービス精神旺盛。自治体などのテーマ曲を作り、贈っては無視されたり、会話のギャグに失笑されたりすることも多いが「引きずらない性格」と笑う。ラジオ雑誌の「好きなDJランキング」のコミュニティ部門で毎年、上位5人に入る常連になった。
県内外に友人が多く、小林さんのことを「面白いだけでなく愛のある人」と話すラジオ関係者も。難病の子どものために募金活動で街頭に立ち、絵本を作ってチャリティーに充てた。東日本大震災発生後には全国の仲間に声を掛け、大きな旗にメッセージを集め福島に届けた。
3年前から、ラジオで思い出をつくろう|と、松本市の小学生がラジオ番組に挑戦する「ドリームラジオ」を始めた。2月には、長野、静岡、佐賀3県の小学生計3人がDJとなり、スマートフォンのビデオ通話機能を使い、小学校や地域の自慢、将来の夢などを語る企画を収録。松本からは並柳小学校の横山日成生君(12)が参加した。22日、小林さんの番組内で放送する。

創作活動にも力自主映画広めて

約10年前、師範も務めた空手道場を辞め、離婚や経営していた運送業を閉じるなどつらい時期があった。「人生を諦めず、次の道に行こうと始めたのが創作だった」と小林さん。自身が作る物語に笑いやハッピーエンドが多いのは、明日への希望を込めているからだ。
「しまね映画塾」は撮影合宿などを経て作品を完成させ、「しまね映画祭」で上映し審査する。今年はコロナ禍で合宿は行わず、一般から作品を募集。52人の35作品が集まり、小林さんは応募した3作品のうち「最強の武器」と「ミラクルみっちゃん」が奨励賞に、さらに「最強の武器」が映画評論家・北川れい子さんが選ぶ特別賞を受けた。
「最強の武器」は、拡張型心筋症に苦しむ男児のため、2017年に書いた物語を紙芝居風にアレンジ。知人のイラストレーターが描いた絵に小林さんが1人4役の声を演じ、自宅で撮影した。知人もリモートで出演し、「アイデアひとつでどんな映画も撮れると実感した」という。
今後は各地の映画祭に作品を応募し、ゆくゆくは県内で自主映画製作を広める活動をしたいという。「成功したら周囲を巻き込んで皆の夢をかなえていきたい」。今日もトラックを走らせつつ、次の物語を紡いでいく。