山辺ワイナリー注目の“広報マン”「ぶど夫」

「寒い日はホットワインなんていかがねこ?」。ツイッターでゆる~くつぶやくのは、山辺ワイナリー(松本市入山辺)の酔いどれ猫キャラクター「ぶど夫(お)」。昨年4月のアカウント開設以来、ほぼ毎日更新している。発信力のエネルギー源は、若手社員の特技と知恵、そして熱意だ。
ぶど夫は「ワインを飲み過ぎて全身ピンク色になった」黒猫のおじさん。麦わら帽子にオーバーオール姿、カールした前髪と緩んだ口元、ハート形の肉球がキュートだ。生みの親は、ワイナリーを運営する「ぶどうの郷山辺」総務担当でイラストが得意な上條あずささん(35)。数年前に遊び半分で描いたまま手元で眠っていた。
従業員有志でSNSを生かしたPR策を探る中で「日々動きがあり、視覚的な楽しさもあれば注目してもらいやすい」(上條さん)として、ゆるキャラによる情報発信を採用。ぶど夫は“広報マン”として一躍脚光を浴び、上條さんと、売り場担当の山本淳平さん(28)がアカウント名「ぶど夫」でツイッターの運用を始めた。
同ワイナリーは、レストランと農産物直売所も備えた施設。発信内容は、ブドウ畑の様子やワイン、レストランのメニュー、直売所の入荷品、土産品や近隣の名所案内まで幅広い。独特の口調と多彩な表情、しぐさのイラストが印象的で、「七夕ほうとう」「三九郎の歌」などの伝統行事や食を伝えた日も。
ツイッター上で懸賞企画をしたり、期間限定で同社ワインラベルに登場したりもして、注目度が増すぶど夫。LINE用のスタンプも作った。上條さんはぬいぐるみやフィギュアなども手作りし、現在はミニだるまとつるし雛が売り場を彩る。
「ぶど夫がきっかけでワイナリーを知ったという人もいて、販促にもつながっている」と山本さん。上條さんは「こまめでユニークな情報発信で、記憶の浅い部分に印象付けたい」と話している。