塩尻協立病院作業療法士・原祐輔さんに聞く-気軽にけん玉健康体操

椅子に座ったまま高齢者でも

松本協立病院(松本市巾上)が動画投稿サイト「ユーチューブ」でけん玉を使った健康体操の配信を始めた。場所を問わず、気軽にできるけん玉は、手先や脳を刺激し、介護予防にもお勧めという。同院と運営母体が同じ塩尻協立病院(塩尻市桟敷)の作業療法士で、体操を考案したけん玉チーム「ZukuKendamas(ズク・ケンダマ)」代表の原祐輔さん(33)に、自宅でできるエクササイズや運動効果などについて聞いた。
新型コロナウイルスの影響で、外出の機会が減り、「これまで以上に高齢者の体力低下が進んでいる」と原さん。要介護の一歩手前の「フレイル」(心身の虚弱状態)に陥らないためにも早めの予防と対策が必要と指摘する。
そこでけん玉体操。運動効果について原さんは「一見、地味に見えるが、実は足腰をよく使う」と説明。童謡「うさぎとかめ」を歌いながらリズミカルに玉を大皿から中皿に交互に移動させるけん玉の基本技「もしかめ」は、ウオーキングと同じ効果が得られる。
また、玉を落とさないように柔らかく膝を使った屈伸運動は、バランス感覚を養い、集中力を高めるのに効果的。新しい技や慣れない技に取り組むことは、脳の前頭前野の働きを活発にし、脳全体を活性化させて、認知症予防や記憶力アップにもつながる。
今回紹介したエクササイズは、高齢者も取り組みやすいように、椅子に座ったままできるものを選択。「難しい技などは一切ないのでぜひ挑戦して」と原さん。皿に載せた玉を落とさずに、上げた足の下をくぐらせるなどゲーム感覚で楽しめ、継続すれば関節の柔軟性や筋力のアップも期待できるという。
原さんは「大事なことはやらされるのではなく、前向きな気持ちで、けん玉を楽しむこと」といい、「小さな喜びや達成感の積み重ねが気持ちを明るくし、人を笑顔にする。けん玉がコロナ禍で希薄化した人とのつながりを再び深めるきっかけにもなれば」と願っている。

けん玉の手軽さに着目。職場での作業療法に自ら考えたけん玉体操を取り入れたところ、患者らに好評だったため、さまざまな運動効果のある体操にした。
現在▽バランス感覚の向上▽柔軟性を高める運動▽体幹ストレッチ|など合計7つの動画を作製し、松本協立病院の動画チャンネルで公開中。応用編など順次公開する予定だ。
原さんは「もっと多くの人に知ってもらい、自宅でも活用してもらいたい」とPRする。