松本大9年ぶり関甲新大学野球1部に挑む

松本大(松本市)硬式野球部が、4月に開幕する関甲新学生連盟の春季リーグで9年ぶりの1部に挑む。昨年の秋季2部リーグを10戦全勝の圧倒的な強さで総合優勝し、悲願だった1部復帰を果たした。「アグレッシブ・ベースボール」を合言葉に、最上位リーグでも通用する力を付けようと、県外キャンプなどでトレーニングを積んでいる。

4月開幕へトレーニング積む

昨年の春季リーグは新型コロナウイルスの影響で中止となり、現4年生のほとんどが引退した。活動自粛を経て練習を再開したのは6月を過ぎてから。「当たり前の日常が、実はそうではなかった。仲間と野球ができる喜びを改めて感じた」と、主将で右投げ左打ちの右翼手、今井凛平(東海大諏訪高出、3年=以下同)。
「志半ばで引退した4年生のためにも優勝を」と誓って臨んだ秋季リーグは、2部西地区(5校による総当たり2回戦)を8戦全勝、計83得点5失点で制し、東地区(4校)1位の埼玉大との優勝決定戦も2連勝(14─1、19─3)した。
主力を担った3年生に加え、1、2年生も攻守にわたり活躍。「1部昇格に向け、チームが一つになれたのが要因」と、副主将で左打ちの4番、一塁手の熊井駿(20、都市大塩尻高出)。「1部で戦えるのは誇り。自分たちの力がどれだけ通用するか試したい」と意気込む。
秋季リーグ後のオフシーズンは、技術より走り込みなどで体力の向上を優先し、スイングなども強化した。食事を通じた栄養面の改善にも取り組み、部として初めて補食を取り入れ、選手の体が一回り大きくなった。
主戦の右腕、鈴木裕介(新潟・日本文理高出)は最速145キロのストレートが武器。「気持ちでは誰にも負けない。常に攻めの姿勢で勝負どころで逃げず、厳しいコースを突きたい」と力を込め、鈴木と投の二枚看板を担う横手投げの右腕、原田航汰(同)は「得意の変化球で打ち取りたい。入学時から目標にしてきた1部で結果を残したい」と、ともに大学最後の年に飛躍を誓う。
春季リーグの日程が決まり、開幕の1節(4月3、4日)は、昨年の秋季1部リーグを制した上武大と対戦する。「相手は隙がない。接戦に持ち込み、少ないチャンスをいかに得点に結び付けられるかが鍵」と松本大の清野友二監督(35)。
同部OBで、プロ独立リーグのBCリーグ・新潟アルビレックス時代に独立リーグ日本一を経験し、コーチから監督に就任して3年目。「自分にとってもある意味、集大成の年」という清野監督は、学生時代に自身が果たせなかった1部昇格を選手とともに喜びつつ、「さらに上を目指す」と指導に熱が入る。