信州の山駆ける大人の遊び 「W田中」がネットラジオで発信

「格好いい背中見せないと」

仕事は週2日の自称「自由人」こと田中ゆうじんさん(49、松本市島内)と、完全テレワークの自称「江戸っ子」こと田中真紀さん(45、同市野溝西)。同じ姓の2人は意気投合し、仕事以外のほとんどの時間を、信州での「山遊び」に充てる。
この時季は雪山を短いスキー板で滑るバックカントリースキーざんまい。夏場は山岳を駆け抜けるスカイランニングなども楽しむ。
この自由な大人の遊びをネットラジオで発信する。番組名は「ふぁすらい山ラジオ」。「ふぁすらい」は「速い=ファスト」と「軽い=ライト」を組み合わせた造語。2人の生き方を示すという。
「大人が格好いい背中を見せないと、子どもは夢を持てない」と断言する「W田中」の「ふぁすらい」ライフとは-。

スキー中心の生活

今月22日、田中ゆうじんさんと田中真紀さんは、友人1人を加えた3人でバックカントリー(BC)スキーを楽しむため、北アルプスの白沢天狗(てんぐ)山(2036メートル)に向かった。
爺ガ岳スキー場から登り始め、約2時間半かけ頂上直下に着くとそこから3人で滑走開始。標高差約1000メートル、最大斜度35度ほどある斜面を動画を撮影しながら約1時間かけて滑り降りた。
この日は春を思わせる陽気。ゆうじんさんは「雪は重かったが、3人で思い切り楽しむことができた」と満足そうに話した。
その後は、松本市内の河川敷に移動し、157回目のネットラジオの収録。話題は、BCスキーを初体験した友人の感想や、アウトドアスポーツ仲間の話などで、「いつもそうだが、話が尽きない」(ゆうじんさん)と、50分の収録時間はあっという間に過ぎた。
これが、ゆうじんさんと真紀さんの冬場の典型的な1日の過ごし方だ。今シーズンは山に雪が多いため、2人は「6月中旬まではこの生活が続くのでは」と笑顔を見せた。

ラジオで魅力発信

ゆうじんさんは2008年、「信州の自然に憧れていた」と都内から松本に移住した。初の登山は北アルプス蝶ケ岳。それまで本格的な登山経験のなかったゆうじんさんはきつく感じたが、「下山後の爽快感はそれ以上だった」と、山の魅力にはまった。
その後は山の楽しみ方も多彩に。軽装でも大丈夫な山を短時間で登る「スピード登山」やBCスキーなどで、年間100日ほど山に入るようになった。
BCスキーをしていて感じたのが、狭い場所ややぶをすり抜けるには「短いスキー板の方が向いている」。試行錯誤してたどり着いたのが長さ99センチのショートスキーだ。16年から、このスキー板で滑り降りるスタイルを始め、「BC SHORT」と命名。その楽しさを伝えるため、昨年7月から「ふぁすらい山ラジオ」の放送を始めた。

生き方共感一員に

都内で会社を経営する真紀さんは昨年6月、環境のよい信州で子育てがしたいと、都内から松本に移住した。トライアスロン競技の「アイアンマン世界選手権」に2度出場しているアウトドアの本格派。ゆうじんさんのラジオを聞き、「楽しそうで、生き方にも共感した」と、すぐに連絡を取った。
山を一緒に楽しみ、迎えた冬場。25年前に1度、ショートスキーを体験したことがあるという真紀さんは、ゆうじんさんに連れられて白沢天狗山で「BC SHORT」を初体験した。「知っている限りの知識と体力を使い、怖さを忘れるくらい全集中した」と真紀さん。以後、真紀さんは「ふぁすらい」の一員として、ゆうじんさんと一緒に山の魅力を伝えている。

信州ライフを満喫

仕事を「ライス(ご飯)ワーク」と呼ぶゆうじんさんと、「ふぁすらいの資金源」と呼ぶ真紀さん。今後、「BC SHORT」の普及に向けキャンピングカーでの全国の雪山巡りや、「大人のカジュアルファッション」などを企画する2人。信州ライフを大いに楽しんでいる。

ネットラジオは「ふぁすらい山ラジオ」で検索。