マザーズコーチングスクール和田春菜さんに聞く-「イヤイヤ期」の過ごし方

子どもの自己主張が強くなる1歳半ごろから始まる「イヤイヤ期」。親は「思い通りにいかない」と頭では分かっていても、一緒にいると精神的に疲れて参ってしまいます。終わりが見えないように思えるイヤイヤ期を、どう過ごせばママも子どもも笑顔になれるのか─。娘(4)の子育てで同じ体験をしたマザーズコーチングスクール認定講師の和田春菜さん(35、松本市)に話を聞きました。

失敗が学びに

★和田さんの場合
「娘のイヤイヤ期が大変すぎた」ことがきっかけでマザーズコーチングを学び始めたという和田さん。ある日買い物に行ったショッピングモールの遊び場で、娘が「帰りたくない」と言いました。
時間がなかったため「もう帰るよ」と促しますが全く聞いてくれません。「感じたことのない怒りがふつふつと沸いてきて抑えらず…」。つい大きな声で叱ってしまいます。
周りを見回すと、同じようなお父さんやお母さんがたくさんいます。それを見て「虐待というのは特別なことではなく、日常にあり得ることなんだと気付き怖くなりました」。
何とか状況を良くしたいと子育て相談などにも相談してみましたが、「今だけだから」という答えが返ってくるばかり。「今が苦しいのに…」との思いから自ら学ぶことを決意し、マザーズコーチングを見つけます。
★失敗できる安心感を与える
「子どもの行動に対して先回りしすぎないことが大切」と強調します。コップにお茶を入れようとする、靴を左右反対に履きそうになるといった子どもの行動を見ると、親はついこぼさないように、間違えないようにと先回りして注意しがちです。
でも「失敗をするのは悪いことではありません。失敗によって自分で気付き、考え、判断できるようになり、経験となります。失敗すると分かっていても、経験として見守ってほしい。それが成長したときに失敗することを恐れず、挑戦する力につながります」
★ママの心持ち
マザーズコーチングでは、子どもに対しての「思い込みや決めつけを減らす」、「非効率な時間こそ大切にする」ことを伝えていると言います。また、自身の経験と他の学びから「親VS子ども」の構図をつくらない、お母さん自身が自分の機嫌を取って気持ちを安定させる重要性も訴えます。
「お母さんも『自分自身を大切にする』というのは世界のスタンダードです。睡眠時間が減ればストレスがたまり、イライラにつながります。『この家事はどうしても今日やらないと駄目なのか』など、選択していくことも大事だと思います」

子の立場になる

★ワークで感じる
講座では、2人組になってお母さん役と子ども役を交代で体感するワークがあります。時間は1分。まず子ども役が、利き手と反対の手で自分の住所と名前を紙に書きます。
お母さん役はそれに対して「早くしなさい!」「なんでできないの!」「急いでって言ってるでしょ!」「だから○○ちゃんにはまだ無理だって言ったじゃない!」「もう、ママがやるから貸して!」「持ち方が違うでしょ!」という6つの言葉を言います。
その時どう思ったか、やりたいことなのに大好きなお母さんにこんなことを言われたらどう思うか、どんな声掛けをしたら安心してできるか…。体験を通して考えます。
2歳児の感覚を知るのに、軍手を二重にはめてボタンを留めたり靴ひもを結んだりする方法もあります。
★自分で答えを見つける
娘が「お父さん、嫌」と言い、和田さんが全て一人でやらなければいけない時期がありました。「お父さんも愛情をいっぱい注いでいるのになぜ?」と思い娘に話を聞くと、覚えたての言葉で「パパは好きと言ってくれない」と答えました。
話ができるようになってきた娘は「好き」と言葉で言ってほしいのに、それがかなわない。「子どもは大人が思っている以上に信頼できる存在で、自分の中に答えがきちんとあります。それを信じて、しっかり話を聞いてみることです。育児本を読んでも、わが子に当てはまらないケースはあります。本人が見つけた答えであれば、親も子も笑顔になれます」
「決めつけない、思い込まないといったことを毎日できなくても大丈夫です。理不尽に怒鳴ったり、自分が間違えたりしたときは直接子どもの目を見て謝ること。寝顔にわびるのはNGです。子どもは『人間の初心者』ということを忘れず、『イヤイヤ期って最高にかわいい!』と思えたらいいですね」