キッチンカーを日常的存在に

松本市内の飲食店が結束 Food Van’s Ave.

キッチンカーを運営する松本市内の飲食店4店が集まり、
Food Van’s Ave.(フード・バンズ・アベニュー=FVA)を結成した。コロナ禍でイベントの中止が相次ぎ、出番が減ったキッチンカー。活躍の場を自分たちでつくり出そうとの試みだ。
イベントに登場する印象が強いキッチンカーを日常的な存在にしたい-。そんな思いを込め、毎日複数台が場所を決めて出店し、「移動式フードコート」を目指す。合わせて、新規顧客の開拓にもつなげたい考えだ。
コロナ禍による新しい生活様式の下、日常的に利用する新しい飲食店のスタイルとして認知してもらえるか。「テークアウト+デリバリー+実店舗=キッチンカー」。そんな計算式のような存在を目指す。

コロナ禍を機にキッチンカーを導入

FVAに集まったのは、夢屋(松本市大手1)、沖縄クラフト&カフェちゅらね(島立)、深志荘(並柳2)、sabouしが(殿野入)の4店舗。いずれもコロナ禍を機に、昨年6月~今年初めにキッチンカーを導入した。オレンジと黒の市松模様だったり、フォグランプにも店名を入れたりと装飾を工夫。大きさも軽から中型トラックまで、さまざまだ。
「信州で縁あって仕事をしている。信州の食材の価値を高め、その魅力を伝えたいという気持ちも強い。おいしい食べ方も知ってほしい。地域を盛り上げたい」。FVAの代表でsabouしがのオーナー、田中ゆかりさん(58)はそう話す。
3月は8、12日を除く14日まで信毎メディアガーデン前(中央2)、18~21日と25~28日はなんなん広場駐車場(芳野)など、市内3カ所に2~4台が出店。メンチカツ(夢屋)、タコライス、沖縄そば(ちゅらね)、懐石弁当、山賊焼(深志荘)、ローストポーク、ポークハンバーグ(sabouしが)などを提供する。価格は500~1000円程度という。
今月2日、信毎メディアガーデン前に集まったのは、夢屋、深志荘、ちゅらねの3台。駒ケ根市から訪れ、夢屋でメンチカツを買った田中千佳さんと寧々さん母子は「揚げたてで熱々。衣はさくさく。肉もおいしい。キッチンカーがたくさん集まる場所は駒ケ根にはない。テンションが上がります」。

仲間を増やし、今後は市外への出店も

コロナ禍で、テークアウトの需要は増えたものの、「一時期に比べて減ってきている」と、夢屋を運営するコラルの社長、上野有治さん(58)。
温かいものを温かいうちにできたてを味わってもらえる、近くに飲食店がない地域でも店の料理を楽しんでもらえる-。テークアウトでは難しいそんなことも、キッチンカーでは解決できる。「コロナ禍が収束した後も、幼稚園や保育園の運動会、地域の文化祭などの出店にもつながればいい」と、深志荘の中澤伸友社長(49)。
都心部のオフィス街などでは、ランチタイムにキッチンカーが多く集まり、利用する人も多い。集まったキッチンカーの前にできる行列は、既に日常となっている。FVAが目指すのも、こうした光景だ。
今後はキッチンカー仲間を増やし、4月以降は松本市外に出向くことも視野に入れている。コロナ禍で、余儀なくされた新しい生活に対応し、キッチンカーを持つ店舗が力を合わせ、新しい飲食店の形を探る。「どんな店の、どんな料理が食べられるのかな」。そんなわくわく感も一緒に提供したい-と張り切っている。

【キッチンカーの営業】出店予定はFVAのフェイスブック(「 Food Van’s Ave. 」で検索)に掲載。時間は午前11時~午後3時。