小さな心掛けで環境守る 冊子で呼び掛け

私たちが何げなくしている普段の生活や買い物などの消費活動で引き起こされる環境問題。松川村の5児の母、西澤奈津美さん(37)と1児の母、高橋早紀さん(32)は、「自分たちの小さな心掛けで未来を変えられる」という思いから、冊子「地球のために私たちができること~選択を変えて未来を変えよう!~」を作りました。2人に話を聞きました。

ポジティブな気持ちで

★冊子の内容
A6判、手書きのモノクロ14ページ。希望者に無料で渡しています。
内容は「私たちができること」の具体例として、▽マイバッグ・マイボトルで使い捨て習慣を減らす▽節電節水▽本当に必要な買い物か考える▽地産地消を心掛ける▽食品ロスを減らす▽肉や乳製品を減らす▽大量の廃棄物を出すファストファッションより長く着られる洋服を選ぶ▽地球と人に負担の少ない洗剤を選ぶ▽店や企業、行政機関に声を届ける▽なるべく公共の移動手段を選ぶ▽選挙に行く▽少しの手間と苦労を楽しむ|などを勧めています。
また、農薬や殺虫剤、遺伝子組み換え作物、気候変動の影響から世界各地でミツバチが減少している状況とその影響についても触れています。「できるだけ分かりやすくまとめて、読んだ人が『1つくらいはできそう!』と思える内容にしました」
★活動のきっかけ
冊子作りを発案したのは西澤さん。環境問題について考えるきっかけは、地球温暖化の影響でやせ細ったホッキョクグマの映像を見て、その姿が未来の人間と重なったこと。動物園で何種類もの絶滅危惧の動物を目にしてショックを受け、全く楽しむ気持ちになれなかったことと言います。
まずは「自分たちの消費活動や、日常生活の小さなところから見直す糸口をつくりたい」と、インターネットやテレビなどで情報収集。一昨年12月、同じ母親たちに向けて地元でお話会を企画しました。
その熱意に賛同したのが高橋さんです。夫婦で有機栽培の「北アルプス高橋農園」を営み、以前からSNS(会員制交流サイト)で環境保護について発信してきました。お話会も仲間や知人らに参加を呼び掛けましたが、人集めに苦労します。そこで都合のよい時に読んでもらえる冊子を作ることにしました。
情報を集めて内容を深め、昨年10月に完成。高橋さんの友人で環境問題に関心のあるイラストレーター新井芙季さん(26、松本市)のかわいいイラストも添えています。
★高橋さんの取り組み
高橋さんは昨年から、農園で作る米や大豆を原料にしたせっけん製造に取り組み、オンラインショップで販売を始めました。農園に来るお客の多くは農作物の購入が目的のため、袋を持参してもらうなどして無駄なごみが出ませんが、せっけんは個包装が必要な上、通販が大半なので梱包材が必要です。
ここでも脱プラスチックを徹底し、包装材、梱包材とも紙製にしています。
★2人の思い
「1人ががむしゃらに頑張るのではなく、“たくさんの1人”が小さなことを継続すれば環境は変わると思います。地球規模の大きな問題ではあるけれど、『自分にもできることがある』というポジティブな気持ちで読んでほしいです」と口をそろえます。

「我慢」ではなく「選択」

冊子の中にあった「地球を守るために私たちがすべきことは『我慢』ではなく『選択』」という一文がとても印象的で、ぐっと引き込まれました。地球に起きている現実を知り、「当たり前」を考え直して、小さなことでも心掛ける姿を子どもたちに見せていけば、地球の未来は変わっていくのだろう|。2人の話を通じて感じました。わが子には、「動物さんが苦しまないように無駄をなくそうね」と伝えています。
冊子はいぐパン(松川村)、陽気茶房、ペンギンカフェ、コンコースカフェ、ナカマチカフェ、Natural&Organicくるみ(以上松本市)で配布中(品切れの場合もあります)。西澤さんのインスタグラムアカウント(hachidori.0724)、高橋さん(takahashi.farm.organic)に連絡すればデータをもらえます。