オンラインで生徒総会実施 鉢盛中パソコンで投票も

「本日の出席数378人。賛成者数376人、出席者数の半数を超えましたので、本議案は可決されました」
松本市、山形村、朝日村の組合立鉢盛中学校(朝日村・生徒数435人)。今月3日、本年度最後の生徒総会が開かれ、決算案などが承認された。
コロナ禍を受け、集会ではなく新しい形で実施。各教室にあるテレビモニターを通じて生徒会役員が議事進行し、生徒たちはそれぞれ手元のパソコンでオンライン投票した。端末は昨年末に導入し授業で活用してきたが、生徒会の活動で使ったのは初めてだ。
国が進める、全小中学生に1人1台の端末を配備する「GIGA(ギガ)スクール構想」。4月からの本格スタートを前に、鉢盛中の取り組みをのぞいてみた。

GIGAスクール構想 先行実施の鉢盛中

学び方広く深く主体的に

3日午前8時。鉢盛中では、いつものように登校した生徒が窓際のパソコンラックから自身のパソコンを取り出し、席に着いた。
8時15分、教室のテレビモニターを通して生徒総会が始まった。年度末のため、決算の承認が主な議案。まず出席確認のため、パソコンのアンケートフォームから、各自が名前を入力。情報は瞬時に生徒会役員のいる放送室で集計され、「会員の3分の2以上の出席があったので、この会は成立します」。
続いて、決算報告。今回、議案書はペーパーレスで、生徒たちはパソコン上で共有されているPDFファイルを開いて内容を確認。通常なら挙手で決議を取るが、「賛成」「反対」どちらかのボタンをクリックすることで採決した。
一部から「ボタンが押せない」との声があったり、クラスによっては一時的にネットワークがつながりづらくなったりしたが、最終的に賛成多数で決算は無事承認された。

ノートPCを昨年末に配備

昨年末にB5型のノートパソコンが配備され、松本地域では先行して授業での活用を進めてきた鉢盛中。活用推進に当たった太田雅彦教諭は「まずはパソコンの基礎的な操作で生徒間にスキルの差があり大変だった。それから、授業でどのように使うか、先生たちが使いやすいシステムの構築も課題だった」と振り返る。
授業で活用するための具体的なマニュアルはなく、実践例を積み重ね、教員間で共有。理科の授業ではグループごとに生徒が実験の様子をパソコンで動画撮影し担当の教員に送信することで、後で各グループの様子が細かくチェックできるなど、試行錯誤している。
実際の授業をのぞいてみた。2年生の英語では、形容詞の最上級表現を使って「世界で一番〇〇(大きい、速いなど)な動物」について各自がネットで調べ、英語のリポートを作っていた。

能動的に調べるスタイル歓迎も

操作が得意な生徒が教える場面も。「英語の勉強はもちろんだが、情報の検索、英語での入力、文書の作成など幅広い経験になれば」と英語担当の押元早苗教諭。生徒からは「調べたいことがすぐ調べられていい」(武田來侍さん)、「資料を作るのは将来の仕事にも役立つと思う」(友廣裕次さん)など、受け身でなく、自ら調べ考える学習を新鮮にとらえ、歓迎する声が多く聞かれた。
1年生の国語「鑑賞文を書こう」では、鑑賞する素材をネットで検索、作文もパソコン上で書いて皆で共有。青柳佳奈子教諭は「紙に文章を書くのは苦手だが、パソコンなら書けるという子もいる。修正も手軽だし、表現の幅も広がるのでは」と期待する。
藤田克彦校長は「活用によって、学び方が広く深くなり、主体的な学びにつながっている」と評価。活用法などについて教員同士が話をしたり、生徒間で協力する機会も増え、校内に良い流れが生まれているという。
有害情報も多いインターネットを学校で利用することについて、藤田校長は「ネット上でのトラブル回避は、現代社会では必要なスキル。指導すべきところはして、使い方をコントロールすることも学んでもらえたら」と話している。

【メモ】
【GIGAスクール構想】文部科学省が打ち出した、全国の国公私立の小中学生に1人1台のパソコンやタブレットといったデジタル端末を配備、各校の高速通信環境を整備する計画。社会生活で不可欠なオンラインによる情報収集や手続き、ICT(情報通信技術)の活用に対応できる能力の育成を目指す。GIGAは「Global and Innovation Gateway for All」の略。