オンラインで子育て支援「子どものミカタプロジェクト」

対応即座にネットの利点実感

3学期が終わり、いよいよ新学期へ。期待の一方で、保育園や幼稚園、小学校での生活に不安を抱える親子も多い。クラスや友達になじめるのか、トラブル時にどう対応するのか、「学校に行きたくない」と言ったら…。
コロナ禍の影響で、子どもの発達や適応など幅広い悩みに応じる子育て相談を対面でしづらい状況の中、オンラインで対応する取り組みが始まっている。
松本地域の臨床心理士らでつくる「子どものミカタプロジェクト」(上間春江代表)。感染リスクは避けながら、オンラインでつながり合い、母親たちをサポートする仕組みをつくってきた。
コロナ禍という突然の環境変化で生まれた親のストレスや孤立といった問題への対応も視野に入れる。ウィズコロナ時代の新たな子育て支援の形とは―。

自宅にいながら育児の悩み相談

「年長の娘が先生の話をぼーっとして聞いていないと指摘されたけれど、発達の検査を受けた方がいいのかなあ」「注意散漫や気が散りやすいといった傾向は、1年生程度なら誰でもあることで通常の範囲内。検査は5月以降、学校に慣れて先生の意見も聞いてからでいいのでは」
母親の話をうなずきながら受け止め、笑顔でアドバイスするのは「子どものミカタプロジェクト」副代表の高瀬志保さん(44、松本市)。今月開いた本年度最後のオンラインお話会には、この日初参加のゲストを含め県内から7人が参加した。代表の上間春江さん(44、塩尻市)も木曽での仕事の合間を縫って駆け付けた。
同プロジェクトが昨年7月に始めた会員制「子育てコミュニティスクール」の柱の一つでもあるお話会。回を重ね、和やかな雰囲気で進行。赤ちゃんの夜泣きの悩みから発達、不登校など子育てに関するさまざまな話が交わされた。高瀬さんは「自宅にいても気軽に話せる場を提供できて本当によかった」と振り返った。

コロナ禍の実体験支援の必要性痛感

プロジェクトが掲げる「子どものミカタ」とは、「見方」を学んで「味方」になろう―の意。子どもたちの一番身近な存在である親が、子どもの個性を尊重し、本来の力を引き出す関わり方をすることが大切だと説く。
2016年の発足から、セミナーや自主開催の「ママのミカタカフェ」、自治体依頼の講座などを通して、母親や保育士、教師など子どもに関わる人たちに、広く子育てのヒントを伝えてきた2人。順風満帆に活動を広げてきた時、新型コロナウイルスが広がった。
相対しての相談がしづらい状況になり、スクールカウンセラーとして勤務する2人も、昨年3月から5月にかけて突然仕事がなくなった。さらに休校によって、自身の子どもの食事の世話や勉強の指導などにも追われ「改めて母親が1人で子育てを抱える大変さやストレスを思い知った」(上間さん)。自由に外出できず孤立感を深める親へのサポートの必要性を痛感、新たにオンラインでの子育て支援を模索し始めた。
助成金も得て、昨年6月から「子育てコミュニティスクール」と銘打って会員を募り、県外含め約20人の会員に向け毎週1回、子育てのこつなどをメールで配信するほか、寄せられた相談への回答は動画でも配信する。さらに「お話会」として自由に話せる場も企画した。
会員の1人で2児の母親(46)は、「息子が発達障害のグレーゾーンだが、病院にも特別支援学級にも該当しないので、なかなか的確な支援をしてもらえる場がなかった」。メールなどで具体的なアドバイスをいち早くもらえることで問題解決につながり、子どもも変わってきたと効果を喜ぶ。スマホ片手にすき間時間でも参加できる仕組みは、忙しい母親たちの大きな心の支えとなったようだ。
上間さんも「スクールカウンセラーだと予約して月に1回程度の面談なので、公的なサービスには限界もある。悩みを即時解決できる仕組みがあればと思っていた」と、オンラインの有効性を実感。親自身の学びや充電、仲間づくりの場として、さらに活動をブラッシュアップして展開していく予定だ。

【子どものミカタプロジェクト】ともに臨床心理士の資格を持つ上田市出身の上間さんと神奈川県出身の高瀬さんを中心に設立。「子育てコミュニティスクール」の受講は有料。「4つのミカタ」など子育て法をシェアした本「自由な子育て自分らしい子育て」も先日刊行した。問い合わせはメール(info.mikata.p@gmail.com)で。