NPO法人「はぐまつ」理事・西森さんに聞く―子どもたちの一歩育む場

さまざまな理由で学校に通えなかったり、登校していても苦しい思いをしたりしている小中高校生の居場所「はぐルッポ」(松本市旭3)。子どもたちが自ら一歩を踏み出すためのエネルギーを育む場を提供するほか、保護者の相談に乗る、子どもたちの学習サポートといった活動もしています。運営するNPO法人「はぐまつ」の理事、西森尚己さん(同市)らに話を聞きました。

小中高校生の居場所「はぐルッポ」

─どんな場所ですか
女鳥羽川沿いにある木造平屋建て(6畳3間)の元教員住宅で、2013年度に開設しました。市の公式子育て支援サイト「はぐまつ」を運営している私たちが、市から委託を受けて運営しています。
現在、利用している子どもは1日10~15人。スタッフは大学生や元教諭、主婦、産業カウンセラーなど年齢も立場もさまざまです。地域の企業やお寺、松本青年会議所などの協力もいただいています。
子どもたちが通う学校とは連携が取れていて、はぐルッポに通う子は出席扱いになっています。

─開所時間・内容は
毎週水・金曜の午後1~5時と、月曜は月1回、木曜は月2回開けています。相談は随時受け付け、急な来所希望にもできるだけ応じています。通うための条件や面接はなく、連絡先を登録すれば無料で利用できます。
ここは子どもたちがありのままの自分でいられて、言いたいことが言え、安心して失敗ができる場所。何もしないで、ただ居ていい場所でありたいと考えています。子どもや保護者の要望を受けて、勉強の日やスポーツの日、茶道やボルダリングの日なども設けています。

子どもたちの様子
取材に訪れた3月初めのある日は、小学4年生~高校3年生の男女10人と、元校長や大学生などのスタッフ4人がいました。女子は漫画を読んだり大学生とおしゃべりしたり、男子はカードゲームで対戦したりタブレットでゲームをしたり、折り紙をしたりと自由に活動。「外で遊びたい!」という子どもにスタッフが付き添う姿もありました。
「ご飯を食べてないからおなかが空いた」という男の子には、おにぎりを作って渡していました。本来はおやつの時間がありますが、コロナ禍の今はみんなで集まって食べるのは中止。帰宅時に、おやつの入った袋を各自が持ち帰ることにしています。

利用者らの声
「初めは送り迎えしてくれるお母さんの都合で週1回だけ通っていたけど、もっと行きたくてバスで1人で通うことにした。自分に自信が付いたし友達もできて楽しい」(中学2年男子、D・Sさん)
「世間体を気にしすぎて苦しかった。でも、私たちの味方になってくれるスタッフに出会えて楽になりました」(女児の母)
「初めて来た時は蚊の鳴くような声しか出せなかった子が、ここで過ごすうちに気力を取り戻し、仲間と会話が弾むようになった」(スタッフ)
「子どもに生きる気力が出て、将来の夢を語れるようになった」(同)

西森さんの話
スタッフは子どもたちに対して指導やコントロールはしません。「何をしていてもいい、ただ居てくれればいい」という思いで、子どもが自ら発想し、行動するのを待ちます。
大人の都合ではなく、子どもの「いのち」を真ん中に置いた活動をこれからも貫きたいです。子どもたちに寄りそってくれるスタッフを募集しています。
問い合わせは℡0263・31・3373(開所日のみ)。相談はメール(hugmatsu@sky.plala.or.jp)で随時受け付けています。