【ガンズリポート】山雅農業プロジェクト4年目「あやみどり」農地昨年の倍に

松本山雅FCの運営会社が展開するホームタウン活動「スマイル山雅農業プロジェクト」が4年目を迎えた。塩尻生まれの緑色大豆「あやみどり」を育てる農地は、昨年のほぼ倍になる。
今年、新たに松本市内田地区で農地を借りる。年初には想定していなかったことだ。
プロジェクトを立ち上げから担当するコミュニティ推進部の渡邉はるかさんには、4年目に当たり、農地を広げることに迷いがあったという。漫然と拡大することに意味があるのか―と。だが、年明けに受けた申し出で、迷いは消えた。
1月11日にクラブが今年のホームタウン活動についてのオンライン発表会を開いた後、内田地区のサポーターから「近所の遊休農地を活用してほしい」と連絡があり、地元の農事組合法人とのつながりもつくってくれた。
「私にも山雅のために、地域のためにできることがある」という思いが「地域の課題をクラブを使って解決したい」という、渡邉さんらの思いと共鳴した。
昨年の農地は同市の中山地区と神林地区、安曇野市内の計90アールだった。そこに今年、内田地区の50アールが加わり、中山地区でも20アール増やす。さらに箕輪町でも、種まきに間に合うように話し合いが進んでいる。
プロジェクトには地主だけでなく、草刈りや施肥などをする農業法人、収穫した大豆の選別に従事する障害者施設などの協力が欠かせない。渡邉さんは「助けてもらってできている。自然に広がってきた感じがする」。初めは「山雅がなぜ農業?」という疑問もぶつけられたプロジェクトの成長ぶりに驚く。
収穫した豆の利用も広がっている。3月には、松本市と安曇野市の保育園・認定こども園の60園であやみどりを加工した料理を園児たちが味わった。J2の今季ホーム開幕戦で発売された肉まん「あやまるまん」は当日に450個が完売した。
渡邉さんは「昨年収穫した1トンの消費は順調。今年、収量が増えれば、給食の回数を増やすなどできる。地域に還元するしくみも考えたい」と話す。