【働くママ・パパ】 碇屋漆器店・三代目 碇屋公一さん

「働くママ・パパ」コーナーは、仕事をしながら子どもと過ごす時間も大切にしている中信地区のお母さん、お父さんを紹介していきます。1回目は多くの松本市民や観光客から親しまれている国宝・松本城の漆塗装を手掛ける碇屋(いかりや)公一さん(38、同市深志)。全国唯一の黒い漆塗りの壁を持つ城の保全を仲間と担いつつ、2児の父として仕事と子育てに奮闘しています。

★仕事
公一さんは1947年創業の碇屋漆器店の三代目。大学を卒業後、地元の一般企業に就職しましたが、長女・二花(にか)ちゃん(6)の誕生を機に家業を継ぐことに。以来、父・公章さん(74)と共に漆塗装、漆器の卸・小売り、新生児の誕生祝いに市が贈るファーストスプーンなど木工クラフト品の販売などを行っています。
このうち一番大きな仕事が、月見櫓(やぐら)を含む松本城天守の漆の塗り直し工事です。この工事は「昭和の大修理」(1950~55年)後の10年間、何も手入れをせずに荒れてしまったため公一さんの祖父、故儀一さんが修繕を請け負ったのが始まりです。漆の乾きやすい8月下旬から毎年約50日かけて、熟練の職人と計5人で、すす払い、水洗い、傷の確認、補修、下地塗りを経て手作業で漆を塗ります。
猛暑や大雨などその年の気候で劣化の状態は異なるため、作業する際は湿気や板の状態に気を配りながら進めます。「前年に修繕した時と同じような仕上がりになると達成感を感じます」と公一さん。黒漆と漆喰(しっくい)の白の見事なコントラストはこうして守られています。

★育児は夫婦で協力
妻の愛さん(42)は美容室を経営し、長男・環(たまき)君(7)は小学2年生、二花ちゃんは今春小学校に入学しました。保育園の時の送り迎えは夫婦のどちらか余裕のある方がやることに。帰宅後の家事も同様です。「子どもたちは放課後、自宅か妻の職場で過ごし、私が帰った後はなるべく親子で過ごすようにしています」

★子どもとの時間
時間に余裕のあるときは迎えに行ったその足で公園に行き、サッカーをしたり川で釣りをしたり、銭湯や日帰り温泉に寄って帰ったりすることもあります。「コロナ禍で子どもと過ごす時間が増えた時も、家の中にいるよりはなるべく外に連れて行き、自分が子どもの頃にしていたような遊びをするようにしていました」

★夢、目標
「師匠たちに教わりながらこの仕事を続けて7年目。効率化の技術は取り入れながらも、伝統的な手法や材料は守り続けたいです」

★子どもからの応援メッセージ
「お城をピカピカにきれいにしてくれてありがとう。お父さんカッコいい!」(環君)