「カモシカスタンド」コロナ対応で開店

非接触型の環境 壁に松本らしさ

非接触型のセルフレジ、スタンディングスタイルなど「コロナ対応」のカフェ&バー。若者がアイデアを出し合い、メニューもインスタグラムのアンケートで決めるなど、ユニークだ。
松本市中央2にきょうオープンする「カモシカスタンド」。店内の壁いっぱいに描かれた信州や松本を連想させるイラストが、来店者を迎える。観光客や中心市街地を散策する人が、ちょっと立ち止まって話をしたり周囲を見渡したりできるよう、店の前に空きスペースを設けた。
手掛けるのは深志商事(同市大手4)。デリバリー事業を展開してきたが業態を変更。コロナ禍の下、実店舗の経営に乗り出した。
店長の佐藤麗華さん(27)は「お客さまも自分たちも常に発見ができる。そんな店にしたい」と張り切っている。

今だからこそ 違う形の店を

カモシカ、松本城、美しの塔、アルピコ交通上高地線、信州産ワインの原料ブドウ…。高さ約3メートル、長さ14メートルの壁いっぱいに、信州や松本を連想させる絵が広がる。東京でデザイン会社「寺田事務所」を営むイラストレーターで、グラフィックデザイナーの寺田晶子さんが、淡いクリーム色の壁に黒の水性顔料を使い、2日ほどかけて描いた。
伊勢町通りに面したカフェ&バー「カモシカスタンド」は約50平方メートル。3密を避けるため、小さなテーブルを複数置き、立食するスタイルに。入り口を1メートルほど奥に下げ、店の前にある湧き水を生かした空きスペースをつくった。
「接客型から非接触型の環境をつくること自体が新たなおもてなしになる。テークアウトしてもいいし、ここでも食べられるので、選択肢も増える」。深志商事の住吉久典代表(31)は「コロナ対応」のスタイルを導入した理由をそう説明する。
「ちょっとした立ち寄りスポットに」との狙いは、街づくりにも通じる。松本駅から縄手通り、四柱神社といったルート上にある同店。中心市街地の回遊性を高めるのにも役立ちたいという。壁に名所、特産品などを描いたのも、立ち寄った人が交わす会話の話題になれば─との思いがある。
店のコンセプトやスタイルは、同社の住吉代表、小林諒佑副代表(27)と、松本が好きで移住してきた福島県出身の佐藤麗華店長が描いたアイデアを形にした。朝食からランチ、夕食まで利用でき、テークアウト、店内飲食、ちょっと一杯、昼飲み─など、さまざまな需要に対応する。
メインのメニューとして提供するサンドイッチは、信州産の野菜や果物、卵など地元の食材を使う。松本市の井戸水を使った「松本井戸水ビール」も提供する予定だ。
「コロナ禍で落ち込む飲食店を見ているとつらい。こんな状況だからこそ、違う形の飲食店をつくりたい」。佐藤店長は、困難な状況の中に新たなチャンスを見いだそうとしている。

【カモシカスタンド】サンドイッチは、「会田養鶏のたまごサンド」(390円)、「酒粕ベーコンサンド」(650円)など、定番を5、6種、日替わり2種をそろえる。フィッシュ&チップス(650円)、フライドポテト(600円)などのおつまみも。
午前7時~午後4時(当面の間)。木曜定休。電話は設置手続き中。問い合わせは、店のサイト(「カモシカスタンド」で検索)から。