大町「カフェキッチンカー」

シェアキッチン形態の店  日替わり“わくわく”感

大町市中心市街地の商店街にある、キッチンカーの店主らが日替わりで営業する「カフェキッチンカー」。日替わりのわくわく感、新しいジャンルの味との出合い…。出店カレンダーをチェックし、わざわざ足を運ぶ人も少なくない。
同じ建物内でリラクセーションサロンを営む栗林佐千子さん(同市)が5カ月前に開設した。キッチンカーの店主のほか、既に飲食や総菜などの店を構える人、これから店を開きたい人などが1日単位で出店できるシェアキッチン形態の店だ。
和、洋、スイーツなどメニューは日々多彩で個性的、持ち帰りにも対応。2階には雑貨店やワークショップスペース、レンタルスペースもある。「楽しい仕掛けを」と栗林さん。かつて人通りが多かった商店街や地域に活気を取り戻そうと意欲を見せる。

商店街や地域に活気を

「カフェキッチンカー」は、大町市の下仲町商店街にある「ホッと一息…森の休息」という名の建物の1階に昨秋オープンした。安曇野市から訪れた56歳の女性は、以前から食べたかったという「ベジ寿司(ずし)」の提供日に合わせて来店した。「わざわざ来る価値は十分ある。今週の利用は2回目です」
月平均で10店ほどが交代で出店する。提供する商品はカレー、ランチプレート、パン、弁当、おやき、焼き菓子などさまざま。キッチンカーのメニューも皿に盛り付けて出せば持ち帰り容器とは違う雰囲気で楽しめる。着席して落ち着いて味わえるのもうれしい。

将来を見据えお試し出店も

小宮山由梨さん(31、同市)はオーガニック食材を使った料理の店を月4回ほど出店している。将来、飲食店にオーガニック食材について助言する取り組みを目指しており、実経験を積んでステップアップにつなげたいと、「1日店長」方式で営業する。「手軽に出店でき、つながりもたくさんできてありがたい」と小宮山さん。
栗林佐千子さんは20年前からリラクセーションサロン、その後に雑貨店を開いて並行して営み、2017年に別々の場所にあった各店を現在の建物に移して営業してきた。奥に長い造りを生かし、サロンへ続く廊下状の「通り土間」の壁面をギャラリーに活用している。
カフェは、来店客らがお茶を飲み、ほっとできる空間がほしいと開設。通りに面した1階にあった雑貨店は元従業員が新しい店として2階に移転、その場所をカフェに改装した。
「自分の描くコンセプトに沿った、わくわくできる場所を」。店には大好きなキッチンカーをかたどった小物を飾り、キッチンカー店主による日替わり営業を考案。地元や県内の店主らと出店交渉を重ねた。無謀と思われたが、熱意を伝えるうちに「面白い」と希望者が現れた。一方、店を持ちたい人からお試し利用の要望も舞い込み、シェアキッチンの店として開店した。

利用し、つながり、街の魅力も発信

実験的な出店で将来への手応えをつかんだ店主の声、移住希望者からの問い合わせも。栗林さんは「動いてみることで生まれる需要がある」と驚く。
「食・楽・学・癒・健やか」が建物全体のコンセプト。いろんな目的の人が利用し、つながり、街の魅力も発信されていく場に─。シャッターを下ろす店が増える中、回遊性を高め、街なかに活気を取り戻すため、多様な取り組みの広がりを期待する。

カフェの営業は原則午前11時~午後4時、不定休。出店予定は「森の休息」のサイトなどに掲載。出店希望は随時受け付けている。TEL0261・23・7145