松本チアチームLUSTERS コーチング手法取り入れ指導

子どもたち本来の力引き出す

床に車座になり、真剣な表情で文字を書き込む女の子たち。学校や塾ではない。チアリーディングレッスン中の一こまだ。
4歳から中学2年生まで、28人が所属する「松本チアチームLUSTERS(ラスターズ)」(内田奈津希代表)。昨春の発足当初から、コーチングの手法を取り入れた指導を受けている。
子どもたちは毎回、レッスン前後にその日の目標や反省点などをノートに記入。常に目標や達成度を確認することで、自ら課題を見つけ行動する。コーチは細かい指導ではなく「どうだった?」と問い掛け、答えを引き出すサポートに徹する。
子どもたちが本来持つ力を引き出す指導スタイルを模索し続けるラスターズの練習風景をのぞいてみた。

なりたい姿へ達成目標立て

「今年1年の目標を決めます。できるようになったら自分が一番うれしいことを、目標にしましょう」
「松本チアチームラスターズ」新年度2回目のレッスン。コーチの和田春菜さん(35、松本市)が紙を配り、1年後の自分がなりたい姿と、そこからさかのぼって3カ月ごとの達成目標を立てるよう促した。
事前に他チームの動画を見て、自身に足りなかったり伸ばしたかったりする部分を考えておいた子どもたち。すらすらと自分の言葉で目標を書き込んでいく。チア歴4年目の衛藤紗衣さん(12)は「目標が明確になってやるべきことがはっきりした」と目を輝かせた。

和田さんは都内での大学生時代にチアを始め、プロチームにも所属して7年間活躍。信州に戻り、プロバスケットボールチーム「信州ブレイブウォリアーズ」専属のチアチーム「ジャスパーズ」の立ち上げ時から指導に関わった。
指導法を探る中で、選手自らが課題を見つけ、解決していく形の「コーチング」的手法に注目。長野商業高校(長野市)チアリーディング部の指導も任されるようになり、2年目から全国大会7連覇など、目覚ましい成果を上げてきた。
内田奈津希さん(24)は和田さんの教え子。長商が全国で優勝した時のキャプテンも務めた。ラスターズ代表となり、「今の社会で、自ら考える力は不可欠。チアを通して、小さい頃から力を付けてほしい」と、指導の核にコーチングを取り入れた。
組み体操の技術が必要なスタンツの練習。細かな姿勢や動きなどを一方的に教えることはしない。うまくいかなかった時に「どうだった?」「どこに力を入れていた?」など、子どもが自ら考える声掛けをする。
コロナ禍で、昨春の3カ月間は集まっての練習が中止に。さらに接触を避けるためスタンツの練習開始も夏以降と遅れたが、12月には演技を動画で一発撮りし、初めて全国規模の大会「ダンスチャレンジカップ」のダンスドリル部門に挑戦。銀賞に輝いた。
「子どもたちの成長のスピードがとても速くなった。ここからがスタートで、もっと上を目指したい」。内田さんは、自身の師匠でもある和田さんと二人三脚でラスターズの子どもたちを信じ、見守っていく。

【メモ】

【LUSTERS】英語で「光り輝く」を意味するLusterから命名。スタンツが入る「チアリーディング」と、踊り主体の「チアダンス」のクラスがあり、今春からは初心者向けの「基礎クラス」も開講。5歳~小学6年生の新規メンバーを募集中。問い合わせはメール(mctlusters2020@gmail.com)で。