県歌で探る信州の魅力

松山三四六さん 歌詞を超訳、謎解く旅へ

県民の間で長く親しまれている県歌「信濃の国」。でも、歌詞の内容をよく知っている人はどれだけいるだろうか。その歌詞に沿って各地を訪ね、信州の魅力に迫ったのが『松山三四六の信州ディープツアー』(太田出版・東京都新宿区)だ。コロナ下で遠出が難しい昨今、近間の旅のガイドブックとしても楽しめる。
著者はタレントで歌手、長野大社会福祉学部客員教授など幅広く活動する松山三四六さん。移住したい県ランキングでトップクラスの長野県、日本人や海外からの客を魅了する元は何かを探る旅に出掛ける。キーワードは「信濃の国」。「長野県が他県に誇る県歌『信濃の国』に、人気の謎を解明するヒントがあるのではないか」と考えたからだ。
巻頭には松本市出身の浅井洌が作詞した歌詞と、それを三四六さんがかみ砕いた文にした“超訳”を掲載。また、歌詞の1~6番に沿い章立てした。
第1章は「信濃の国は十州に…」の歌詞を基に信濃の歴史や信濃の名前の由来をひもとき、松本、伊那、佐久、善光寺の4つの平を巡る。第2章以下が地理、産業、古くからの名所など各論に。読み進めながら、「信濃の国」がいかに長野県の特徴をとらえ、自然や歴史、文化、それらを育んだ人などを幅広く、バランスよく取り上げているか、改めて感心する。
「信濃の国」は作詞が1899(明治32)年、翌年に北村季晴が作曲し発表された。日本経済を支える養蚕業が盛んになり、20世紀の幕開けを待つ時代だった。三四六さんはあとがきで「21世紀から22世紀へ向かう信州は、『信濃の国』に描かれているのと同じように、前向きで自信に溢(あふ)れていてほしいと思う」と記している。
四六判、256ページ。2100円。県内各書店で販売。