子ども食堂コロナ禍の学生に「食」提供

長引くコロナ禍で仕送りやアルバイトが減って経済的に困窮し、帰省も難しく、授業もオンラインが多いなどで孤立感を抱える学生への支援が課題になっている。こうした中、主に貧困世帯の子どもに食事を提供している各地の「子ども食堂」が、支援の対象を大学生などにも広げ始め、企業も協賛するなど支援の輪が広がりつつある。
松本市に拠点を置くNPO法人「ホットライン信州」が、同市や長野市などで運営する「信州こども食堂」は今年1月から、学生の支援に取り組んでいる。同法人が行う24時間の電話相談に「学生から『バイトが減り収入がない。食材だけでも、もらえたら』という声が寄せられるようになった」(青木正照専務理事)ためだ。
同法人はこれまでも、県内外の企業から寄付された食材などを、子ども食堂に活用してきた。学生支援の動きに4月、県農協中央会(長野市)から米2トンが贈られたほか、長野銀行(松本市)も職員らが集めた乾麺やレトルト食品など701点を寄贈した。ほかにも多くの企業や個人から、続々と物資が集まっている。

困窮する留学生にも

4月24日に松本市駅前記念公園などで開いた「信州こども食堂inまつもと学び塾」でも、これらの食材を配った。通常大人は300円のカンパが必要だが、学生は無料に。市民約70人が訪れ、このうち学生は7人。松本での食材配布は特に留学生の来場が目立つといい、この日もベトナムからの留学生、グエン・レ・ユイ・アン(20)さんら3人が初めて訪れた。
ボランティアが振る舞う昼食の手打ちうどんを食べ、グエン・ティ・トゥイ・ユーンさん(21)、ホアン・ザ・バオさん(20)も「おいしい」と笑顔に。毎日自炊しているが「米や野菜、鶏肉など最低限のものしか買えない。食品をもらえるのは、すごくありがたい」と喜んだ。
3人は「どうしても日本で学びたい」とコロナ禍のさなかの昨秋来日し、今春、信州大に入学。生活費を賄うためコンビニやレストランでアルバイトをしている。「もっと働きたいがオーダーがなく、週1~2回しかシフトに入れてもらえない」と嘆く。
グエン・アンさんは、長野銀行からの物資の贈呈式で、学生代表として感謝状を読み上げた。今後は都合が合えば、子ども食堂などのボランティアにも関わりたいという。

子ども食堂は物資を提供するだけでなく、居場所や交流、困った時の身近な相談先にもなる。青木専務理事は「コロナ禍が長引き、厳しい状況が学生にもボディーブローのようにじわじわと効いてきている。感染拡大が収束するまでは支援を続けたい」とする。
「信州こども食堂inまつもと学び塾」は毎月第4土曜に開催。詳細はホームページまたはフェイスブック(「ホットライン信州」で検索)に。電話相談はTEL0120・914・994